自分で出来る!寝たきりにならないための骨粗しょう症対策
- 2021年12月26日
- 骨と筋肉を強くする
こんにちは。しょう内科クリニックの荘です。
今回は、自分で出来る骨粗しょう症対策を取り上げます!
今は80歳台まで生きるのは当たり前の時代です。これからは、人生90年、いや100年の時代になっていくことでしょう。
というわけで、ただ長生きするだけでなく、健康に長生きすることがとても大切になってきています。
骨粗しょう症は、そんな健康寿命を脅かす大きな原因になります。
骨粗しょう症は年をとると進行してきます。また女性に多く、なんと50歳以上の女性の1/3が骨粗しょう症といわれています。
身長が縮んだり、腰が痛かったり・・・それは骨粗しょう症が原因かも知れません。
腰椎の圧迫骨折や、大腿骨の骨折は寝たきりの原因となります。そんな骨粗しょう症から、自分で体を守るための方法を説明していきます!
実は骨には2種類ある。大切なのは海綿骨!
まず、骨の外側の殻に当たる部分の皮質骨です。
そして骨を内側から支えるスポンジに当たる部分が海綿骨です。
実は、骨粗しょう症で問題になるのは海綿骨が弱くなってくることです。海綿骨は骨を内側から支える構造となっています。弱くなってくると、骨を支えきれなくなって骨折しやすくなります。
海綿骨が豊富な骨は、太ももの骨(大腿骨)と背骨(腰椎)です。反対に指の骨、前腕の骨、かかとの骨は、主に皮質骨から出来ています。これが、骨粗しょう症検査の測定部位や方法の違いを理解する上で大切になってきます。
骨密度はどこの骨で測るのが正解?
結論から言うと、太ももの骨(大腿骨)と背骨(腰椎)で測るのが正しい測定部位になります。DXA法といって、弱いレントゲンを使って骨密度を測定する検査機器を使います。なぜ大腿骨と腰椎で測るのが大切なのでしょうか?
ここまでお読みの方も、指や前腕、かかとの骨の簡易骨密度検査(超音波など)をしたことがあるかも知れません。
しかし、これらの部位の骨密度では、真のリスクを評価したことになりません。
極論で言うと、指や前腕、かかとの骨が仮に折れても、寝たきりにはなりません。
大切な骨(太ももの骨と腰の骨)を直接測るのが、やっぱり一番良いんです!
さらに治療効果の判定も、大腿骨と腰椎の骨密度測定の方が優れています。
指や前腕、かかとの骨密度は治療であまり変わらないからです。せっかく治療しているのに、あまり変わらないものを測定し続けても仕方ありません。
しっかりとリスク評価と治療をしたい方は、大腿骨と腰椎の骨密度を測定するようにしましょう。
自分で出来る!骨を鍛えるの運動
突然ですが、宇宙へ行くと骨密度はどうなるでしょうか?
答えは、骨密度は低下します。重力の力で骨に負担がかかっていないと、骨が強くならないからです。
ということは、逆に骨に負担をかける運動が良いわけです。
例えば・・・縄跳び!でも、骨が弱い人向けではありません。怪我に注意が必要です。
ソフトな運動ではウォーキングが良いですね。ジョギングもオススメです。
水泳や自転車はあまり重力がかからないため、骨強化には向きません。
ビタミンDで骨を強くする!
ビタミンDはカルシウムの吸収を高める作用があります!
ですので、摂取することで骨の材料であるカルシウムを効率的に摂取できます。
またビタミンD不足を解消すると、転ぶリスクが減る効果もあると言われています。
ビタミンDを多く含んでいる食事は、きのこ、お魚、卵、乳製品になります。また、日光を浴びることで、体の中で合成されます。メンタルヘルスでも取り上げましたが、日光って体にとって大切なんですね。
まあ、お肌には紫外線がダメージになるんですけどね・・・
やっぱり、カルシウムは大切
本当にカルシウムって大切だと思います。こんな逸話があります。
新潟に住んでいる祖母が、2階から1階への階段を踏み外してしまいました。転げるように落ちたので、階段先にある壁に突っ込んで穴が開いたのですが、祖母は怪我しませんでした。
いやいや、90歳に近いのに体が丈夫でビックリしました。
そんな祖母の実家は、味噌汁に煮干しが入ってるんですね〜。調べてみると煮干しのカルシウム含有量ってスゴく多いです。
食品毎のカルシウムの含有量はこんな感じです。魚介類、チーズ、高野豆腐のカルシウム量が多いですね。
食品名 | 100gあたりのカルシウム量 |
煮干し | 2200mg |
サクラエビ | 690mg |
しらす干し | 520mg |
牛乳 | 110mg |
ヨーグルト | 110mg |
ナチュラルチーズ | 660mg |
高野豆腐 | 630mg |
木綿豆腐 |
120mg (絹ごしは43mg) |
納豆 | 90mg |
では1日あたりどのくらいカルシウムを摂れば良いのでしょうか?
カルシウムの摂取については、厚生労働省から推奨量の目安が出ています。参考にしてください。
性別のカルシウム推奨量(1日あたりのmg) |
||
年齢 |
男性 |
女性 |
18〜29 | 800mg | 650mg |
30〜49 | 750mg | 650mg |
50〜64 | 750mg | 650mg |
65〜74 | 750mg | 650mg |
75以上 | 700mg | 600mg |
とはいえ、カルシウムとビタミンDの取り過ぎには逆効果!
ここまでお読みいただいた方は、真面目な方だと思います。そんな熱心な方ほど、カルシウムとビタミンDを取りすぎてしまうことがあります。
取り過ぎてしまうと、それはそれで不具合が起きることがあります。
血液中のカルシウムが増え過ぎてしまうからなんです。
そうなると頭がボーッとしたり、脱水になったり、力が入らなくなったりと、色々な症状が出ます。
過ぎたるは及ばざるがごとし。という訳で、ビタミンDとカルシウムの摂取に関しても同様です。
適量を守り、やり過ぎないことも大切です。サプリメントの取り過ぎにも注意してくださいね。
薬の治療は進歩している
ここまで、運動や食事について説明していきました。
ここまで頑張ってもなかなか骨が強くならない。もしくは、既に重症の骨粗しょう症になっている。そんな時はお薬の力が必要です!
薬は日々進歩しており、たくさんのお薬があります。
これについては、次回詳しくご紹介していきますので、お楽しみにしてくださいね。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!