マンジャロ(高い減量効果をもつ糖尿病治療薬)が2023年4月に発売!
- 2023年3月22日
- ダイエット
ダイエットに強力な薬剤が登場
オゼンピックやリベリサスなど
本来は糖尿病治療薬ですが
減量目的でも高い有効性がある薬剤
を当院でも、ダイエット外来で使用してきました。
多くの患者さんに効果がある一方で
十分に体重減少効果が得られない方もいました。
そんな中、さらにダイエット効果が高い薬剤が出てきました。
マンジャロとは?
マンジャロ(成分名、チルセパチド)はGLP-1/GIP受容体作動薬です。
インスリン分泌や、食欲抑制に関わるスイッチを
入れる作用があるお薬です。本邦では2型糖尿病治療薬
として発売されます。
オゼンピックやリベルサスはGLP-1単独の作用でしたが
GIPの受容体にも作用することで、効果が高まっています。
マンジャロが適した患者さん
食事や運動療法で十分な効果が得られない
2型糖尿病の肥満の方が適しています。
小児でのデータはなく、使用できません。
現時点では肥満症の適応がないため
減量目的で使用する場合は、自由診療となります。
マンジャロの体重減少効果
メトホルミンに追加した際のチルゼパチドによる血糖降下および体重減少
(SURPASS-2試験、Frías JP, et al. N Engl J Med. 2021;385:503-15.)
からデータを引用します。
まとめると、オゼンピックの1mg(-5.7kg)よりも
マンジャロの5mg(-7.3kg)、10mg(-9.3kg)、15mg(-11.2kg)の効果が高くなっています。
マンジャロ15mgではオゼンピック1mgの
約2倍の体重減少効果がありそうです。
血糖(HbA1c)の改善効果も下に示すデータの通り
オゼンピックよりも高くなっています。
マンジャロの使い方
週1回の1回使い切りの皮下注射製剤です。
毎週決まった曜日に注射します。
食前後や時間に特に決まりはありません。
2.5mg、5mg、7.5mg、10mg、12.5mg、15mg
と細かく製剤が別れており、2.5mgから開始し
効果が十分なければ4週以上空けて2.5mgずつ
増量することとなっています。
もし忘れてしまった場合は、72時間(3日)
以内であれば、注射してください。
その次の注射は元通りの曜日に注射します。
マンジャロの副作用
基本的にはオゼンピックと似た副作用の傾向
となっています。
嘔気・嘔吐、便秘などの胃腸障害が多い
ですが、使用を継続するにつれて減るようです。
僅かですが、膵炎の発症報告があります。
低血糖リスクは非常に少ないと考えられますが
併用薬剤によっては注意が必要です。
マンジャロの使用に注意が必要な方
・妊婦の方は、安全性のデータがないためご使用できません。
・授乳中の方は、乳汁への移行のデータが
ないため原則マンジャロの中止が必要です。
・小児の方はデータがなく、使用できません。
・膵炎の既往のある方(薬剤で膵炎を発症するリスクがある)
・甲状腺髄様癌の既往のある患者及び甲状腺髄様癌
または多発性内分泌腫瘍症2型の家族歴のある方
(マウスでの甲状腺癌の頻度が増えたデータがある)
マンジャロの薬価
ダイエット目的で使用する場合は
全額自費になり、自費での価格はクリニックによって異なります。
2023年4月18日に2.5mgと5mgが
6月12日に7.5mg、10mg、12.5mg、15mgが発売されます。
発売から1年は2週間の処方日数制限がありますので
一度に1ヶ月分は処方できません。
マンジャロのまとめ
・2023年4月〜6月にかけて発売
・体重減少効果、血糖改善効果はオゼンピックよりも高い
・副作用はオゼンピックと同様と考えられるが、新しい薬なので注意は必要。
・当院のダイエット外来でも採用予定(詳細は決定次第、お知らせいたします)