アトピー性皮膚炎を改善するための、効果的な塗り薬の使い方|しょう内科クリニック|埼玉県蕨市の内科・リウマチ科・アレルギー科

〒335-0004埼玉県蕨市中央5丁目12-21
Tel.050-3146-0850
ヘッダー画像

ブログ

アトピー性皮膚炎を改善するための、効果的な塗り薬の使い方|しょう内科クリニック|埼玉県蕨市の内科・リウマチ科・アレルギー科

アトピー性皮膚炎を改善するための、効果的な塗り薬の使い方

アトピー性皮膚炎を改善するためには、塗り薬の理解が大切です。

こんにちは。しょう内科クリニックの荘です。今回はホームページの疾患別ページでもご紹介していますが、アトピー性皮膚炎の塗り薬について、ブログでもアップしていきます。


結論から先に言うと、徹底的な保湿、ステロイドの塗り薬を短期集中で使う、この2つがポイントです。アトピー性皮膚炎の方は、小さい頃から乾燥や痒みに悩んでいます。

お分かりのとおり、アトピー性皮膚炎の体質を変えることはなかなか難しいのものです。しかし、保湿とステロイドの塗り薬を正しく使えば、かゆみをコントロールすることができます。

アトピー性皮膚炎の方は、体質的に皮膚のバリアが弱くなっています。

皮膚は体にとって、鍋のフタみたいな役割があり、水分の蒸発を防いでいます。フタがしっかりしまっていないアトピー性皮膚炎では乾燥しやすくなります。

またバリアが弱ければ、外からの花粉やホコリ、細菌などがドンドン皮膚の奥に侵入して刺激してきます。

とはいえ、どれくらいの頻度で塗れば良いのか、ステロイドの副作用の心配、などの疑問が出てきます。

ここでは具体的な塗るタイミングや方法、回数、塗り薬の種類最新の治療まで触れていきたいと思います。


一に保湿、二に保湿、三に保湿

アトピー性皮膚炎の治療では、保湿は基本中の基本の治療です。

朝の歯磨き、夜お風呂に入るかのように、生活の中に組み込んでください。皮膚の状態を支えてくれます。

 

湿剤を塗るベストタイミング

お風呂上がりが最高のタイミングです。お風呂に入って、きれいな皮膚に水分がしっかり入っている、そのタイミングで皮膚にフタをするように保湿剤を全身に塗ります。

タオルで軽く水分を拭き取って水分が蒸発する前に、時間をかけずにサッと全身に塗ります。毎日やりましょう。

発疹がある場所だけでなく、全身に塗ることがポイントです。

裕があれば朝も塗っていただければ理想ですが、忙しければ朝は塗れなくてもOKです。

とにかく1日1回の入浴後は外さないようにしましょう。

湿で使う薬のチョイス

保湿剤にはローション、クリーム、軟膏などがあります。ローション<クリーム<軟膏の順に保湿力は高くなりますが、軟膏はベトベトします。朝にワセリンを顔に塗ったらギラギラしてしまいますね。朝はローションかクリーム、夜は軟膏を使ってみましょう。

 

長所 短所
ローション 塗りやすい、べとつかない 保湿力は弱め
クリーム 伸びが良くて、保湿力もまずまず 刺激感が出ることがある
軟膏 保湿力が高い

傷に塗っても痛くない

ベトベトする

 

 

処方できる軟膏の中ではヒルドイドソフト軟膏はベトつかずに伸びが良いです。ヒルドイドソフト軟膏をたっぷりと使いたいところですが、1ヶ月量に処方制限があるので量が出せません。

保湿剤は、子供であれば少なくて済みますが、大人であればかなり量が必要になるので処方薬だけでは足りません。

 

市販のものでおすすめなのがローションタイプのユーセリン、クリームのセタフィル、軟膏であればアクアフォーがあります。

日本製のものと違い、1つの容器に入っている量が500g前後でとても多いです。いかにも欧米らしい感じ・・・(笑)ですが、これくらい量がないと十分に塗れません。アマゾンなどで買えます。

ローションタイプのユーセリン

ローションタイプのユーセリン

クリームタイプのセタフィル

軟膏タイプのアクアフォー

保湿剤はこれじゃないとダメというものはありません。処方薬や市販薬の中から使用感が良いものを見つけてみてください。


ステロイド外用薬は正しく使えば怖くない

副作用が怖いイメージがあると思いますが、これは使い方次第です。短期集中で使用するのが、良い使い方です。

ダラダラと中途半端な使い方がよくありません。結果的に使用量が増えるからです。

ステロイドは炎症を抑えて、かゆみをとってくれる強い効果があります。アトピー性皮膚炎の治療に欠かせません。

テロイドの種類

ステロイドの外用薬は、皮膚の薄い顔には弱めのもの、体には強めのものを使います。

色々な薬がありますが、医者それぞれによって使い慣れた薬があるというのが実際です。

私の場合は、広めに塗れるようにヒルドイドやワセリンと半分ずつにして混ぜて処方することが多いです。

テロイドの塗り方と量

ステロイドは保湿をした後に塗りましょう。赤くなったり、荒れたりした場所を中心に塗ります。

周囲の一見正常に見える皮膚も、炎症が残っています。気になる部位よりも少し広めに塗りましょう。

1FTU(Finger Tip Unit)といって、第一関節から先の指に乗る分で手のひら2枚分を塗り広げます。

テロイドを塗る頻度

皮膚の状態が悪いうちは、1週間は1日2回しっかり塗ります。改善してきたら1日1回に減らして、さらに1〜2週間継続します。これでかなり改善してきます。

テロイドは短期集中でしっかり使って、早めに皮膚を良い状態にもっていきましょう。

一度良くなったら、今度はメンテナンスとして週末だけ(例えば土曜日と日曜日)ステロイドを使ってみましょう。

これがプロアクティブセラピーで、良い状態を維持しやすくなります。


アトピー性皮膚炎を劇的に改善させる最新の治療

 ステロイド外用薬などの治療でも改善が乏しい場合、注射薬のデュピクセントが有効です。アトピー性皮膚炎の根っこを抑えることで、かゆみや皮膚の状態を改善するお薬です。

2週間に1回、皮下に注射します。

ご自分で注射することが可能です。3割負担で月に約4万円の薬価の高額な薬剤ですが、有効性は非常に高い薬剤です。特に、長い間、アトピーと痒みに苦しんでいる患者さんにはおすすめです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!少しでも、痒みのない生活のお役に立てましたら嬉しいです。