オミクロンから身を守るための、3回目のワクチン|しょう内科クリニック|埼玉県蕨市の内科・リウマチ科・アレルギー科

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オミクロンから身を守るための、3回目のワクチン|しょう内科クリニック|埼玉県蕨市の内科・リウマチ科・アレルギー科

オミクロンから身を守るための、3回目のワクチン

こんにちは。しょう内科クリニックの荘です。
今回は、新型コロナウィルスの最新情報をお伝えします。日本で新型コロナの第5波が落ち着いて早3ヶ月が過ぎています。

すっかりと日常生活を取り戻した感じもありますが、世界的には感染が再拡大しています。

特に、最近の話題といえば、オミクロン株の台頭、3回目接種(ブースター)ですね。

オミクロンとデルタとの違いは、トゲトゲの部分にある。

デルタ株の流行が収まらない状況の中、南アフリカから新たな懸念を持つウィルスが出てきました。

その名も「オミクロン」。このウィルスは南アフリカの一部地域では、デルタ株から置き換わりつつあります。デンマークやノルウェー、イギリスでも急速に拡大しているようです。

「オミクロン」は人にウィルスの表面のトゲトゲの部分であるスパイク蛋白が32箇所変異しています。
これはデルタ株よりも多い変異です。

ファイザーやモデルナのワクチンは、変異前のトゲトゲ部分に対応してつくられているため、効果が減弱することは間違いなさそうです。

そもそも、これらのワクチンは、デルタ前のウィルスを想定して作られたワクチンなんです。

まだわかっていないことも多いオミクロンですが、その感染力や毒性、ワクチンの効果減弱が懸念されております。

変異、変異とコロナウィルスはどんどん進化してきますが、そもそもウィルスの変異ってなんで起こるんでしょうか?

ウィルスの変異は偶然の産物

さて、ウィルスは自分のコピーを作って体内で増殖していきます。その過程でミスコピーが起きるのが変異です。

つまり、変異とは偶然の産物に過ぎないのです。ウィルスは「強くなろう!」と決心したりはしません。

このウィルスの変異には、弱くなる変異と、強くなる変異があります。弱くなる変異は、私たちが気づかないまま消滅しています。

まあ、弱いので主流になれないワケです。そんなウィルスは表舞台には出てきません。

というわけで強くなったもの(あくまで、偶然ですけど)だけが、主流になります。

なんか人間社会でもこういうことがありますね。成功した企業や事業家だけが、書店を賑わす、テレビで取り上げられるとか・・・スイマセン、話がそれました。

ちなみに、人の体内で増殖する機会が多ければ多いほど、偶然の変異の可能性は高まります。何せ、ただのミスコピーですから。

コピーする回数が増えれば、ミスコピーも増えます。個人的には、ここにコロナを収束させるヒントがあると思ってます。

オミクロンの感染力はデルタ以上!気になる重症化率は?

オミクロンの特徴は感染スピードにあります。デルタの波の勢いを凌ぐスピードで急速に拡大しています。

南アフリカ、イギリス、デンマークやノルウェーなどはデルタにとって変わりそうな勢いです。

南アフリカでの今回の波は、前回のデルタ波が2ヶ月かかったところが、わずか19日で同じ人数に達しています。

感染力も大切ですが、重症化率はどうなんでしょうか?

情報はまだ限定的ですが、重症化はし辛いかもしれないというデータが1つ。

この情報が正しければ、ただの風邪(あるいはインフルエンザレベル?)としての対応が可能になります。ただし、高齢者と若い人、ワクチン接種者と非接種者、持病のあるとなし、での細かい分析が必要です。

このあたりの分析がないので、まだ良くわかりません。ただの風邪になると思いたいところですが、重症化率が低くても感染者数が多くなれば死者や重症者が増える点には注意が必要です。

実際に、南アフリカでは入院患者数はどんどん増えているようです。

もう一つは、子供で入院が増えるかもしれない。とのデータもあります。

いずれにしても、あまり楽観的に対応すると、後で取り返しがつかなくなる可能性があります。

オミクロンに対するワクチンの効果は?

結論から言うと、ワクチンの効果は大きく減弱すると考えられます。

というのも、ワクチンのターゲットとなるウィルスのトゲトゲ部分が、かなり変化していますので、なんとなく理解できます。

オミクロン震源地の南アフリカから、ある程度のデータが出てますので、紹介します。

ファイザー2回の、デルタの感染予防効果が80%→オミクロンでは33%に低下。入院予防効果はデルタ93%→70%に低下です。

ここからわかることは、オミクロンに対しては、3回目の接種は必要でしょう。ちなみにコロナ感染+ワクチンの方は、オミクロンに対しても十分な免疫がありそうです。

ここまでお読みいただいた方は、既存のワクチンはそもそも変異に対応できないんじゃないの?という疑問があるかもしれません。

これに対しては、こうお答えします。ウィルスのトゲトゲ部分がかなり変化していても、ワクチンが効果を発揮できるトゲトゲの部位はかなり残っています。

この場合は、免疫の量で圧倒できます。追加接種で免疫の量を増やして、対抗しましょう。

コロナ治療薬が続々登場予定

治療薬は、点滴治療としてリスクがある方の軽症〜中等症では抗体カクテル療法=ロナプリーブ(ロシュ・中外製薬)が、既に日本で行われています。

また同じ抗体の点滴としてはゼビュディ(グラクソスミスクライン)も承認されました。

経口薬のモルヌプラビル(メルク)は臨床試験で入院率を半減させる効果が認められています。英国では承認されており、今後日本でも使われるようになると思われます。

同じ経口薬として、ファイザーからパクスロビドが米国で臨床試験中です。今の段階では9割の入院・死亡の予防効果があるようです。

どんどん治療薬が出てきたのは良いニュースですね。当院では点滴療法は行えませんが、経口薬を安全に使えるように、情報収集・準備していきます。

コロナ禍の過去と未来を考える

2年前の今頃、最初の新型コロナウィルスの拡散が始まりました。最初は対岸の火事と思えたことが、あっという間に世界中に広がりました。

私達は、世界中が前例がないほど密につながった、そんな現代社会に生きています。

私は、今回のオミクロンは2年前のデジャブのように感じています。過去を振り返ると、楽観論は的をハズしていたかな、という印象です。

最初の頃は夏(しかも2020年)には収束するとか言われてましたから・・・それからインフルエンザみたいに季節性になるとか、ワクチンで終わるとか、治療薬で終わるとか、そんなこんなで今現在。

当初は、特にウィルス学の専門家の一部の方が楽観論を煽るというか、あんまり良くない方向に情報発信していたと記憶しています。

専門家になりすぎると、平衡感覚が麻痺していくんでしょうか?怒られそうなので、この辺にしておきましょう。

というわけで、私は楽観論にはかなり慎重です。あくまで、過去の経験からそう考えています。

生活が「ニューノーマル」ではなく「今までのノーマル」に戻るためには、正しい情報を理解することがとても重要です。これからも、正しい最新情報を発信していきます。

最後までお読みいただきありがとうございました!