肥満症が保険診療対象に!オゼンピックと同一成分のウゴービが承認予定|しょう内科クリニック|埼玉県蕨市の内科・リウマチ科・アレルギー科

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肥満症が保険診療対象に!オゼンピックと同一成分のウゴービが承認予定|しょう内科クリニック|埼玉県蕨市の内科・リウマチ科・アレルギー科

肥満症が保険診療対象に!オゼンピックと同一成分のウゴービが承認予定

こんにちは。しょう内科クリニックの荘です。

減量効果の高い薬剤が次々
と発売される昨今ですが
保険診療で使用できる薬剤が
承認されました!

その名もウゴービです。
実はこのお薬、注射のオゼンピックと同成分(セマグルチド)で
肥満症治療用のオゼンピックです!


ゴービとは?

成分名はセマグルチド、GLP-1受容体に作用し
インスリン分泌促進や食欲抑制効果を発揮します。

糖尿病治療薬のオゼンピック、リベルサスと同一成分です。


ゴービの対象となる方

肥満症の方が対象です。
ただし、保険診療での処方に関しては
ただ肥満であれば良い訳ではなく
以下の方に対象は限られます。

高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかを有し
食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず
以下に該当する場合。

・BMIが27kg/m2以上で2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
・BMIが35kg/m2以上
※肥満に関連した健康障害:冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)・脳梗塞・脂肪肝・睡眠時無呼吸症候群・月経異常・変形性膝関節症・慢性腎臓病など

このような厳格な適用要件があるため
対象の患者さんは限られそうです。


ゴービの使い方

週1回皮下注射します。
週1回、使い切りの製剤です。
0.25mgから投与を開始しその後は4週間の間隔で
週1回0.5mg、1.0mg、1.7mg及び2.4mgの順に増量し
以降は2.4mgを週1回皮下注射します。

オゼンピックは1.0mgまででしたが、1.7mg
2.4mgとさらに高用量の剤型が設定されています。


ゴービの体重減少効果

オゼンピックと比べて高用量の
週2.4mgまで使用できることで、臨床試験での
体重減少効果は平均約16%と高いものになっています。


Once-Weekly Semaglutide in Adults with Overweight or Obesity(March 18,2021, N Engl J Med 2021; 384:989-1002)

上記の海外のデータだと平均で約16%の体重減少効果
が確認されています。これまでの上限の1mgに比べると
明らかに高い減量効果です。


ゴービの副作用

基本的にはオゼンピック、リベルサスと同じ副作用です。

嘔気・嘔吐、便秘などの胃腸障害が多いですが
嘔気は使用を継続するにつれて減ってきます。
ただ、高用量では嘔気などに注意が必要です。

僅かですが、膵炎の発症報告があります。

低血糖リスクは非常に少ないと考えられますが
併用薬剤によっては注意が必要です。


ゴービの使用に注意が必要な方

・妊婦の方は、安全性のデータがないためご使用できません。
・授乳中の方は、乳汁への移行のデータがないため原則中止が必要です。
・小児の方はデータがなく、使用できません。
・膵炎の既往のある方(薬剤で膵炎を発症するリスクがある)
・甲状腺髄様癌の既往のある患者及び甲状腺髄様癌
または多発性内分泌腫瘍症2型の家族歴のある方
(マウスでの甲状腺癌の頻度が増えたデータがある)


ゴービの薬価

まだ、薬価は未定です。
発売日も現在のところ未定です。


とめ

減量用のお薬は、生活習慣病の予防という意味でも
ニーズが高まっています。

今回のウゴービも、条件を満たす方には保険適応が効きます。
発売日が決まりましたら、また取り上げたいと思います!