動脈硬化を予防するための、血圧測定のタイミングを説明します。
- 2021年12月16日
- 脳卒中と心筋梗塞の予防
やっぱり高血圧は、血管に負担
血圧はこんな消防車のイメージが分かりやすいと思います。
上の血圧は、心臓がポンプ車のようにギューっと血液(水)を体の血管(ホース)に押し出した時の圧です。下の血圧とは、心臓(ポンプ車)がお休みしている時の圧です。
という訳で、下の血圧は、血管(ホース)の太さと、そのホースにどれくらい血液(水)が入っているかで決まります。
上の血圧はポンプの力も関係してきます。消防士のイラストでは水は外に出てっていますが、体の場合はまたポンプ車に戻って循環しているイメージになります。
少し難しいですが、なんとなく理解してくださればOKです。
下の血圧が高いとき、たいてい体の中の血液量が過剰になっています。ですので、ダイエットや減塩(減塩には血液の量を減らす効果があります)で体を絞ると下がります。
お薬で言えば血管(ホース)を広げる薬、利尿剤系(血液量を減らす)のお薬が有効です。
ついでに言うと、下の血圧が高い人は上の血圧も高いです。ですので、下の血圧を下げると、上の血圧も自動的に下がってきます。私はそんなイメージで治療をしています。
寝ている時の血圧は下がるのが普通
夜寝ている時は、正常な人は昼間の血圧から10%~20%程度下がります。
しかし、これがなんらかの理由で下がらない、あるいは朝急激に上がってくる、こんな人が脳卒中や心筋梗塞のリスクが高いんです。
しかし夜寝ている時には血圧は測れませんから、あさイチに測りましょう!という訳です。
あさイチに測れば、夜下がっていないパターンも、朝にかけて急激に上がってくるパターンもキャッチすることができますから。
早朝高血圧が危険な理由
それは、早朝高血圧の方には、隠されたリスクがあるからです。ここでは3つに絞って、そのリスクをご紹介します。
その隠れたリスクの1つがアルコールです。アルコールは寝酒(ナイトキャップ)として、良く飲まれています。確かに寝つきは良くなるのですが、睡眠は確実に浅くなります。
ですので、体は休まりません。睡眠中の血圧が下がらずに、朝を迎えることになります。飲むのであれば缶ビール1本程度(350~500ml)程度にしておきましょう。
2つ目は自律神経の乱れです。これは特に糖尿病患者さんのことです。糖尿病では自律神経が痛むので、夜に十分リラックスする神経が働きません。
強いストレス、うつや不安が強い時も自律神経が休まりませんから、夜間の血圧は高くなりやすくなります。
3つ目は睡眠時無呼吸症候群です。寝ている時にイビキがひどい、呼吸が止まっているというアレです。
この場合も、寝ている間に十分休まりません。息が止まっているので、これは感覚的に分かりますね。
そうです!早朝高血圧の方には、それ自体が体に悪影響を及ぼすリスクが潜んでいることが多いんです。
逆にいうと、これらのリスクを改善すると治療がうまくいく可能性が上がってきます。元を断つのが最も効率的なんです。
どこまで血圧を下げるの?
ご家庭のあさイチの血圧で、130/80を目標にしていきましょう!
冬は寒さで血圧が上がりやすい時期です。しっかりと血圧を下げて、健康を守っていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。