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予防接種

予防接種|埼玉県蕨市の内科・リウマチ科・アレルギー科|しょう内科クリニック

予防接種

予防接種には「定期接種」と「任意接種」の2種類があります。

定期接種は各自治体が実施する予防接種のことを言います。定期接種には肺炎球菌ワクチン(65歳以上、5歳刻みで1回まで)などが挙げられ、費用の助成があります。任意接種は個人の判断で受ける予防接種となり、自己負担となります。任意接種にはインフルエンザワクチン(高齢者は助成あり)、シングリックス、シルガード9などが挙げられます。

新型コロナワクチン

2021年10月7日現在、日本ではファイザー、モデルナ、アストラゼネカの3社のワクチンが接種されています。無料で接種できます。義務ではないので、接種するかどうかは個人で判断することになります。新型コロナウィルスは、人を介して指数関数的に広がる特徴があります。より多くの方がワクチンをうつことで、自分の発症リスクを下げ、さらに周りの人を守る効果が相乗的に大きくなります。下記は現時点で分かっているワクチンの情報です。判断の参考にお読みください。

  1. ファイザー社とモデルナ社のワクチンはmRNAワクチンとよばれる、ヒトで実用化されるのは初のワクチンです。mRNAとは、DNAから体に必要なタンパクを作る過程で必要なもので普段も人間の体で作られています。今回のワクチンは人工的にmRNAをつくったものです。このmRNAはウィルスのタンパク質(正確にはスパイク蛋白)を作るように設計されています。体の中でウィルスのスパイク蛋白を作らせて、それに対して体が免疫反応を起こすことで免疫力が得られます。ウィルスそのものが体の中で出来るわけではないので、新型コロナに感染する心配はありません。アストラゼネカのワクチンは人に無害なウィルスに前述のスパイク蛋白を作る遺伝子を組み込んだものです。いずれのワクチンも臨床試験からは有効性や副作用に大きな問題はないと考えられます。
  2. ファイザー社やモデルナ社のmRNAワクチン(コミナティ)に関して、設計や臨床試験の段階では変異前の株(アルファ株)を想定して製造・承認された薬剤です。2回接種のワクチンです。アルファ株に対しては95%程度と高い発症阻止効果が確認されていました。しかし2021年8月からデルタ株が流行の中心株となりました。デルタ株に対しては、重症化を予防する効果は90%程度と高いものの、発病阻止効果は70%程度と低下しています。報道などでは、ワクチン接種後の感染事例が大きく取り上げられますが、客観的なデータをみますとワクチン接種の有効性は明らかです。接種のメリットが、副作用のデメリットを大きく上回ると考えられます。主な副反応には接種部位の痛み、発熱、頭痛、全身倦怠感があります。いずれも数日で回復します。1回目よりも2回目の方が副反応は多いです。モデルナ社のワクチンはファイザーのワクチンに比べ、発熱や接種部位の疼痛や発赤が多い傾向です。高齢者では若年者より副反応が少ない傾向にあります。重篤な副作用にはアナフィラキシーがありますが、頻度は少ないです。また適切に対応すれば命に関わることは稀です。今後、日本では2回目接種から8ヶ月以上空けて、3回目接種が行われる予定です。
  3. アストラゼネカ社のワクチンは、人に無害なウィルスに前述のスパイク蛋白を作る遺伝子情報を組み込んだものです。無害なウィルスに運び屋になってもらうという発想で、ウィルスベクターワクチンと呼ばれます。重症化予防発症阻止の有効性は高いもののファイザーやモデルナのワクチンと比較するとやや劣るようです。また稀ではありますが、血栓の副作用が報告されています。日本では原則40歳以上の方、もしくは他のワクチンがアナフィラキシーなどの副作用で使用できない方が対象になります。

不活化ワクチンと
生ワクチン

不活化ワクチンはウィルスを無毒化した成分を用いています。ウィルス本来の病原性が無いため、免疫抑制剤などの治療中でも接種することができます。インフルエンザワクチン、ニューモバックス(肺炎球菌ワクチン)、サーバリックス、ガーダシル、シルガード9(子宮頸がんワクチン)、シングリックス(帯状疱疹ワクチン)などは不活化ワクチンです。一方、生ワクチンはウィルスを極度に弱毒化したものです。病原性は限りなく低いものの、理論上は感染のリスクがあるため免疫抑制剤などの治療を受けている方、妊娠中の方は接種することができません。麻疹ワクチン、風疹ワクチン、従来の水痘帯状疱疹ワクチン、おたふくかぜワクチンなどは生ワクチンです。接種間隔について、異なる生ワクチンを接種する場合は27日以上空けて接種します。不活化ワクチンは同時接種が可能で接種間隔の制限はありません。また生ワクチンと不活化ワクチンの同時接種も可能です。

50歳以上の方のためのワクチン

帯状疱疹(水痘・帯状疱疹ウィルス)

帯状疱疹ウィルスには大人になるまでにほとんどの人がかかっています。子供の頃にかかると水ぼうそう(水痘)として症状が出ます。一度は免疫でウィルスは抑えられるのですが、完全には体から排除されずに神経にウィルスが潜んだ状態になります。これが高齢になって免疫が弱くなってくると帯状疱疹として発症します。神経の走行にそって皮膚に赤い水ぶくれができて痛みます。一度帯状疱疹を発症すると皮膚症状が治っても神経痛に悩まされることがありますので、予防のワクチンをお勧めします。2014年から小児に対する生ワクチンが定期接種化されましたので、今後は少しずつ水痘・帯状疱疹は減ると思われます。

現在(2021年10月7日)、ワクチンには2種類あります。
① 水痘・帯状疱疹生ワクチン(従来の生ワクチン)
② シングリックス(不活化ワクチン)
です。どちらも帯状疱疹の発症予防には有効ですが、特にシングリックスの発症予防効果は90%以上と高いです。2ヶ月間隔(最長6ヶ月間隔)で2回接種する必要があります。

肺炎球菌

肺炎球菌は肺炎の原因となる細菌で最も頻度が高いものです。

肺炎の予防、また肺炎にかかった時の重症度を下げるためにもワクチンを有効活用しましょう。ニューモバックスとプレベナー13という2種類のワクチンがあります。ニューモバックスはカバーする肺炎球菌のタイプが広いですが、免疫力の持続力は弱く5年以上明けて2回以上の接種をすることも可能です。プレベナー13はカバーする肺炎球菌のタイプは少ないですが、「免疫力をあげる力が強い」という特徴があります。
両者を組み合わせて接種することで、より肺炎球菌への免疫を高めることができます。

  ニューモバックス プレベナー13
含まれる肺炎球菌型 23種類 13種類
免疫を
上げる力
比較的弱め 強い
免疫の
持続性
5年で減弱 長い
再接種 5年以上
あけて
原則なし
公的助成 あり
(65歳から5歳刻みの年齢)
なし
接種スケジュール
  • 今までにニューモバックスを定期接種した方
    ニューモバックス→(1年以上明けて)プレベナー13
  • 今回初めて肺炎球菌の予防接種を検討される方
    プレベナー13→(6ヶ月〜4年後)ニューモバックス
    ※2の方が免疫力の上昇は強いと考えられています。いずれのワクチンも全ての肺炎球菌性肺炎を予防できる訳ではありません。

妊娠を考えている方の
ワクチン

風疹

妊娠早期に風疹にかかると、赤ちゃんに先天性風疹症候群という奇形を起こす可能性が高くなります。風疹ワクチンは2回の接種で99%の人に免疫ができます。麻疹風疹混合ワクチンは平成18年以降に2回の定期接種となっておりますが、平成18年以前の方は1回、あるいは1度も接種していない可能性があります。風疹の予防のために、妊娠前に充分な免疫があるかを調べましょう。抗体検査で免疫を確認することができます。免疫が充分で無ければワクチン接種が望ましく、麻疹・風疹混合ワクチンを接種します。また抗体検査をせずに麻疹・風疹ワクチンを摂取することも問題はありません。ただ、赤ちゃんへの影響を極力避けるためワクチン接種前1ヶ月から接種後2ヶ月の避妊が必要です。しかし、もし接種後に妊娠が判明したり避妊が失敗した場合でも、これまでに先天性風疹症候群は報告されていません。少数ですが、ワクチンを接種しても免疫がつかない方もいらっしゃいます。万全を期すために配偶者の方や身近で生活する方も抗体価の確認とワクチン接種を行いましょう。風疹抗体検査に関して、埼玉県の助成が受けられる女性の方もいます。詳しくは埼玉県のホームページをご参照ください。

他の生ワクチンにも共通して言えることですが、妊娠後に風疹への免疫が無いことがわかった場合はワクチンを接種することはできません。その場合は感染リスクになるような人混みに出かけない、配偶者や家族の方の抗体の確認やワクチン接種をして極力リスクを下げるようにしましょう。

麻疹

風疹と違い、妊娠時にかかっても奇形のリスクは低いと考えられています。しかし、母体に影響が出ることにより流産や早産のリスクが高くなります。麻疹に関しても風疹と同様に、充分な免疫があるかどうかの確認とワクチン接種をお勧めします。赤ちゃんへの影響を極力避けるためワクチン接種前1ヶ月から接種後2ヶ月の避妊が必要です。

水痘帯状疱疹ワクチン

大人であれば免疫を持っている人がほとんど(95-98%)ですので、妊娠中に水痘帯状疱疹ウィルスにかかる可能性はあまり高くないと言えます。一方で、免疫のない妊婦さんがかかると肺炎を起こすことがあります。また比較的まれですが奇形を引き起こしたり、生まれた赤ちゃんに水ぼうそうを発症させる可能性があります。抗体検査を行って抗体がなければワクチン接種をお勧めします。

ムンプス(おたふくかぜ)ワクチン

妊娠後期の感染で生まれた赤ちゃんに感染する可能性があり、妊娠前の抗体検査と必要があればワクチン接種をお勧めします。

抗体検査の判定表

疾患・
ウイルス名
検査方法 単位 免疫抗体が
全くない状態
十分な免疫なし 十分な免疫あり
麻しん
(はしか)
EIA法-IgG EIA価 2.0未満 2.0-15.9 16.0以上
PA法 16倍未満 16倍、32倍、
64倍、128倍
256倍以上
NT法 4倍未満 4倍 8倍以上
風しん
(ふうしん)
HI法 8倍未満 8倍、16倍 32倍以上
EIA法-IgG EIA価 2.0未満 2.0-7.9 8.0以上
水痘
(水ぼうそう)
EIA法-IgG EIA価 2.0未満 2.0-3.9 4.0以上
IAHA法 2倍未満 2倍 4倍以上
NT法 2倍未満 2倍 4倍以上
ムンプス
(おたふくかぜ)
EIA法-IgG EIA価 2.0未満 2.0-3.9 4.0以上
B型肝炎
(HBs抗体)
CLIA法 mIU/mI 10.0未満 10.0以上

子宮頸がんワクチン(サーバリックス、ガーダシル、シルガード9)

子宮頸がんは、ヒトパピローマウィルス(HPV)というウイルスの感染が原因で引き起こされる病気です。HPVは性行為により感染します。男性・女性を問わず、多くの人が一生のうちに一度は感染するごくありふれたウィルスです。そのうち一部の女性が子宮頸癌を発症すると考えられています。日本では年間約1万人の女性が発症していると報告されています。HPVには多くの型があります。その中でもHPV16型、18型は特に前がん病変や子宮頸がんへ進行する頻度が高く、スピードも速いと言われています。HPVワクチンでこれらの感染を防ぐことができます。HPV16型、18型は子宮頸癌の原因の約70%を占めます。

現在、国内で認可されているワクチンは
①サーバリックス
②ガーダシル
③シルガード9
の3種類のワクチンです。このうち定期接種(小学校6年〜高校1年)にはサーバリックスとガーダシルが使用できます。シルガード9は、任意接種ですが、子宮頸癌の原因ウィルスの約90%をカバーしています。 HPVワクチンの接種対象者は9歳以上の女性です。 HPVワクチンは初回接種(1回目)、2ヶ月後(2回目)、6ヶ月後(3回目)に、腕または大腿部(ふともも)の筋肉内に接種します。HPVワクチンの十分な予防効果を得るためには3回接種する必要があります。HPVワクチンは1回目〜3回目まで同一のワクチンを使用します。途中で他のワクチンに切り替えることはできません。副反応に関しては、平成25年の定期接種化後に多様な症状 (頭痛、倦怠感、関節痛、筋肉痛、筋力低下、運動障害、認知機能の低下、めまい、 月経不整、不随意運動、起立性調節障害、失神、感覚鈍麻、けいれん等)が報告され、積極的推奨が差し控えられていますが、これまでの調査でワクチンとの明らかな因果関係は証明されていません。 子宮頸癌の予防のために非常に有用なワクチンと考えられます。

HPVワクチンの接種前に既にHPVに感染していた場合、ワクチンによってそのウィルスを排除できる訳ではありません。また、ワクチンでは予防できない型のHPVもあります。病変を早期発見し早期治療するために、ワクチン接種の有無に関わらず子宮頸がん検診の受診が必要です。20歳を過ぎたら定期的に子宮頸がん検診を受けましょう。

主なワクチンの費用
(任意接種)

インフルエンザ 適宜お知らせに記載します
ニューモバックス 7,700円
プレベナー13 12,100円
水痘帯状疱疹ワクチン(生ワクチン) 7,700円
シングリックス(不活化帯状疱疹ワクチン) 22,000円
MRワクチン(麻疹風疹混合ワクチン) 9,350円
ムンプスワクチン 5,500円
ガーダシル
(子宮頸がんワクチン)
17,600円
シルガード9
(子宮頸がんワクチン)
27,500円
B型肝炎ワクチン 4,950円

(税込)

ワクチンを受けられない方・注意が必要な方

ワクチンを受けられない方

下記にあてはまる方はワクチンを接種できません。該当すると思われる場合、必ず接種前の診察時に医師へ伝えてください。

  • 明らかに発熱している方
  • 重い急性疾患にかかっている方
  • ワクチンの成分に対し重度の過敏症の既往歴のある方
  • 上記以外で、予防接種を受けることが不適当な状態にある方

注意が必要な方

下記にあてはまる方はワクチンの接種について、注意が必要です。該当すると思われる場合は、必ず接種前の診察時に医師へ伝えてください。

  • 抗凝固療法を受けている人、血小板減少症または凝固障害のある方
  • 過去に免疫不全の診断を受けた方、近親者が先天性免疫不全症の方
  • 心臓、腎臓、肝臓、血液疾患や発育障害などの基礎疾患の方
  • 過去に予防接種を受けて、接種後2日以内に発熱や全身性の発疹などのアレルギーが疑われる症状がでた方
  • 過去にけいれんを起こしたことがある方
  • ワクチンの成分に対して、アレルギーが起こるおそれがある方

妊娠中、又は妊娠している可能性がある方、授乳されている方は、接種前の診察時に必ず医師へ伝えてください。