当院ではGLP-1受容体作動薬の注射薬としてビクトーザとオゼンピックを使用します。GLP-1受容体作動薬は食欲を抑制することで、結果的に摂取カロリーを少なくしてくれる作用があります。
本来は糖尿病治療薬ですが、その減量効果が注目されています。米国では肥満症の治療薬として認可されており、サクゼンダという注射薬が販売されています。
このサクゼンダはビクトーザと同成分で1本当たりの総量も18mgと同じです。違いはビクトーザが0.3mg刻みの1.8mgまでダイヤル調整出来るのに対して、0.6mg刻みの3mgまでダイヤル調整出来る点です。
当院では、日本で発売されているビクトーザとオゼンピックを採用しています。ビクトーザは1日1回の注射薬で1日あたり0.3mg~1.8mgで調整します。
オゼンピックは1週間に1回の注射薬です。0.25mg、0.5mg、1mgの3剤型があります。いずれも食欲が治まるまで、少しずつ増量していきます。
ビクトーザ(リラグルチド)の肥満への効果
ヨーロッパで564人のBMI30-40の肥満者への効果を20週間で評価。1.8mgで平均5.5kgの体重減少があった。
食事と運動指導の対称群では2.8kgの減少効果。血圧低下や糖尿病予備軍の改善効果も認めた。
オゼンピック(セマグルチド)の肥満への効果
30人の対象者(BMI30-45)にセマグルチド0.25mg→0.5mg→1mgと増量して注射。12週で5kgの体重減少効果。対象群では1kgの体重増加。
GLP-1受容体作動薬の副作用について
治療初期に胃部不快感・胃が張っている感じ・頭痛・便秘・下痢といった消化器症状が出ることがあります。少量から開始します。注射部位に内出血や赤み・腫れ・かゆみが起こることがあります。