アレルギー科
アレルギー科
くしゃみ、鼻水や鼻づまり(鼻炎)や目のかゆみ(結膜炎)、咳や呼吸困難(喘息)、アトピー性皮膚炎などの症状、食べ物アレルギーなどのアナフィラキシーへの対応などの、アレルギー症状の治療を行います。
鼻炎や喘息、アトピー性皮膚炎の方はアレルギーの原因物質の回避が有効です。
検査でアレルギーの原因物質を特定します。
お子様や当日に結果を知りたい方はドロップスクリーン(41項目検査)がおすすめです。
指先からの少量の血液で検査できます。お子様でダニやスギアレルギーの場合、舌下免疫療法で体質改善をすると喘息発症リスクが減らせます。通常の採血検査(39項目)を行うこともあります。
花粉症といえばスギ花粉症が代表です。
他にも春にはヒノキ、ハンノキ、シラカバ、夏にはイネ科(カモガヤ、オオアワガエリ)、秋にはブタクサ、ヨモギなどの花粉が原因となります。1年中鼻炎の症状があれば、ダニ(ハウスダスト)、カビ、ペットの毛によるアレルギーが考えられます。
当院では指先からの少量の血液で、院内で30分で結果が出るアレルギー検査機器のドロップスクリーンを使用しています。
①内服、②点鼻薬、③点眼薬を併用し使い分けてきます。
①内服の弱めの薬:アレグラ、デザレックス
中くらいの薬:ビラノア、ザイザル
強めの薬:アレロック
眠気は強いがよく効く:ポララミン、セレスタミン(ステロイド入り)
基本的に強い薬ほど、眠気が多い傾です。
②点鼻はアラミスト、ナゾネックスなどを使用します。鼻づまり、鼻水によく効きます。
③点眼薬はアレジオンLXが1日2回で効果的です。症状が強い場合はステロイド点眼を処方します。
ケナコルト(ステロイド)筋肉注射は約1ヶ月〜2ヶ月程度、非常に症状に良く効きます。ただ非常によく効く反面、副作用のリスクがあります。標準治療が全く効かない方に限ります。当院では自費診療、7,700円(税込)で治療を行っています。
アレルギーの原因となっているスギ花粉をごく少量ずつ毎日摂取することでアレルギーを起こし辛い体質を獲得する治療法です。
スギ花粉症でアレルギー性鼻炎にお悩みの方が対象になります。
根治となり得る治療方法です。お子様の喘息発症を予防する効果もあります。
スギ花粉の飛散時期に鼻炎症状があり、検査でスギ花粉に対するアレルギーが確認されれば治療が可能です。6月〜11月のスギのオフシーズンに始めます。1年目から多くの方で効果が得られます。3年以上の継続で体質が変わってきます。8割の方に効果がある治療法です。もちろん症状が辛い時には通常の花粉症治療薬との併用も可能です。薬の副作用は口や喉の痒みなど軽いものが多いです。お薬の自己負担は3割で月に1,500円程度です。
ダニアレルギーは1年中鼻炎の原因になります。ダニ舌下免疫療法はダニ抗原をごく少量ずつ毎日摂取することで、ダニへの免疫反応を根本的に抑えていく治療です。1年中、いつでも治療を始めることが出来ます。スギ花粉症の舌下免疫療法と同様で長期間の治療で効果が出てきます。お薬の自己負担は3割で月に2,000円程度です。
気管支にアレルギー性の炎症を起こす病気です。
ひどいと特に夜〜朝方を中心にゼーゼーして息苦しくなります。症状が軽く、咳だけということもあります。咳だけの喘息を咳喘息と呼んでいます。放っておいて慢性的な炎症が続くと気管支が狭くなっていきます。
この炎症をコントロールするために最も効果的な治療はステロイド吸入治療です。気管支に炎症が残っていると気管支が少しずつ硬く細くなって元に戻らなくなっていきます。治療が上手くいって症状が落ち着いていても治療を継続することが大切です。
吸入ステロイド薬の副作用はほとんどありません。妊娠中でも、心配なくご使用いただけます。むしろ、喘息のコントロールが不十分であると周産期死亡率の増加や妊娠高血圧症候群、早産、胎児発育不全などの妊娠合併症の増加が知られています。
喘息に副鼻腔炎を合併している患者さんはアスピリンや解熱鎮痛剤で喘息発作を誘発するリスクが高いため注意が必要です。煙草を吸っている方は禁煙しましょう
かぜ・コロナ・インフルエンザ後に咳が長引くことがあります。基本的には咳止めや去痰剤を飲みながら、治るのを待ちます。喘息要素がある場合はステロイド吸入が有効です。
アトピー性皮膚炎で最も大切なことは、しっかりステロイド外用薬を塗ることです。
ほとんどの方は塗る量や範囲が狭く、期間も短く十分に外用薬が効いていないことが多いです。ステロイドは赤くなったり、荒れたりした場所を中心に塗ります。周囲の一見正常に見える皮膚も、炎症が残っています。気になる部位よりも少し広めに塗りましょう。
1FTU(Finger Tip Unit)といって、第一関節から先の指に乗る分で手のひら2枚分を塗り広げます。やってみると、思った以上に皮膚に残る量になります。小さいチューブではたくさん塗れないので、広い範囲に塗れるように調剤します。
皮膚の状態が悪いうちは、1週間は1日2回しっかり塗ります。改善してきたら1日1回に減らして、さらに1週間継続します。これでかなり改善してきます。
それでも調子が良ければ2日に1回使う。完全に中止すると悪化することが多いため、メンテナンスとして週末だけ(例えば土曜日と日曜日)ステロイドを使ってみましょう。
ステロイド外用薬などの治療でも、改善が乏しいアレルギー性皮膚炎の方には注射薬のデュピクセント(IL4,IL-13の阻害薬)がとても有効です。2週間に1回の皮下注射のお薬で、自己注射が可能です。3割負担で月に約4万円の薬価の高額な薬剤ですが、痒みや皮膚症状にとてもよく効きます。副作用はほとんどなく、結膜炎という軽微なものだけです。とても満足度の高い治療です。
食物、ハチ刺され、薬剤によるアレルギーは時に重症化します。
アナフィラキシーでは非常に強いアレルギー反応が全身に起こります。
蕁麻疹で痒い、呼吸が苦しい、血圧が下がって意識が無くなったりなど、放っておくと死に至ることもあります。
アナフィラキシーに対する最優先すべき特効薬は、早期のエピネフリン(=アドレナリン、エピペン)の筋肉注射です。他の弱い薬では改善しません。
当院では、アナフィラキシーのリスクのある方へのエピペンの処方を行っています。お気軽にご相談ください。