ニキビの原因は主に３つ！

1.ホルモンの乱れによる皮脂の増加

男性は思春期になると、男性ホルモンの働きが活発になり皮脂が増加します。
女性も男性ホルモン作用を持っており、思春期になると皮脂が増加してきます。

これらの皮脂が毛穴の詰まりの原因となり、初期段階のニキビになります。

2.毛穴の詰まり

皮脂や角質が毛穴に詰まり膨らんできます。
化粧の落とし残し、過剰な保湿も毛穴の詰まりを悪化させます。

コメドと呼ばれる状態です。

3.アクネ菌の増殖

アクネ菌は、ニキビの無い皮膚にも普通に存在する細菌です。
アクネ菌は脂肪を好む細菌のため、コメドの中で増殖して炎症を起こします。

炎症の結果として、赤ニキビや膿んだニキビが完成します。

マルホの資料より

 

にきびの4ステージ

ニキビは段階を経て進行していくものです。
初期段階でしっかり治療することが、ニキビ跡を防ぐのにも重要です。

1.マイクロコメド

はっきりとは分からない毛穴の詰まりの状態です。

この状態を予防するのが、最も効率の良い治療です。
ディフェリン（皮脂抑制や角質の正常化）やベピオ（ピーリング剤）が保険適応の薬剤として、とても有効です。

マルホの資料より

2.白ニキビ、黒ニキビ

毛穴が詰まり、皮脂が外に出られなくなった状態です。

毛穴の出口が詰まっていれば白ニキビに
出口が開いている場合は黒ニキビとして見えます。

マルホの資料より

3.赤にきび

皮脂が好物のアクネ菌が増殖し、炎症を起こします。
この段階では抗生剤の飲み薬や塗り薬が有効です。

赤にきびまで進行すると、ニキビ跡の原因になります。

マルホの資料より

4.にきび後の赤み、にきび跡

炎症後に赤みがしばらく残ります。
炎症の程度によっては、ニキビが治っても凸凹が残ります。

ニキビ跡までになった場合は、通常のニキビ治療を継続しても改善しません。

マルホの資料より

大人ニキビ（成人になってから悪化するニキビ）

・特徴

大人ニキビは、顔の下半分（顎、顎のライン、首）や胸、背中に発生すること多いです。
赤みを伴う炎症性のにきびが多く、通常の保険治療では改善しない場合もあります。

・原因

特に女性では、ホルモンバランスの変化、男性ホルモンの作用、ストレス、不規則な生活習慣で悪化している場合が多いです。

女性の男性ホルモン作用を抑えるためには、ピルが有効です。

ピルには製剤によって、配合されている黄体ホルモンの種類が違います。
マーベロンに配合されているデソゲストレル（DSG）、ヤーズに配合されているドロスピレノン（DRSP)
が特に男性ホルモンを抑える効果が強く、ニキビ治療には有効です。

・基本治療

①外用剤

ディフェリン、ベピオ、エピデュオ（ディフェリンとベピオの配合剤）
②内服薬の抗生剤

ミノサイクリン、ドキシサイクリン

・ホルモン調節治療

①ピル

マーベロン、ヤーズなどの、男性ホルモンを抑える効果の高い
ピルがニキビの抑制に有効です。

②抗男性ホルモン製剤

スピロノラクトン（ピルとの併用が推奨）が男性ホルモンを強力に抑えます。
元々は利尿剤ですが、ニキビへの有効率は90%以上と、とても高いです。

・イソトレチノイン

ロアキュタンやアクネトレント、アキュテインなどの商品名で販売されています。
皮脂を抑える効果、角質の正常化効果がとても高い内服薬です。

スピロノラクトンと並んでニキビへの有効率は90%以上と、とても有効です。
体重1kgあたり120mg~150mgまで投与するとニキビの再発予防効果もあります。

治療の概要

まずは、塗り薬での治療が主体になります。低用量ピルの内服も有効です。

重度の場合は、女性のニキビにはスピロノラクトン（アルダクトン）の内服
男女問わずイソトレチノイン（アクネトレント）内服が有効です。

スピロノラクトンとイソトレチノインの有効率はとても高く
保険治療で改善しないニキビにおすすめです。
また、イソトレチノインは半年〜1年継続すると、ニキビの再発率が減少します。

ニキビの治療はホルモンバランスを整え、毛穴の詰まりを抑え
アクネ菌を抑えることの組み合わせで行います。

1.保険診療で処方できる外用薬（ディフェリン）で肌のターンオーバーを整える。

ディフェリンは肌の生まれ変わりを促進する力があり
また皮脂を抑えるため毛穴の詰まりを抑えられます。
使い始めで、赤みやカサつきが多くなるため、使用を中止する方が多いです。
継続して使用して、皮脂が多い時期を乗り越える必要があります。

また、ピーリング効果と抗菌効果を併せもつ、ベピオゲルという薬剤もあります。
こちらはアレルギーが出る方もいるため、当院ではまずディフェリンの使用をお勧めします。

2.保険で使用できる抗菌剤の外用薬、内服薬でアクネ菌を殺菌する。

赤ニキビができている方には抗生剤の併用が必要です。

外用のダラシンゲル、ゼビアックス、アクアチムなどを使用します。

また、内服抗生剤のミノサイクリンやドキシサイクリンも有効です。

アクネ菌の増殖を抑制することで赤ニキビの悪化を抑えます。

〜ここまでで改善がなければ、下記の治療法（自費）を考慮します。〜

3.ホルモンを整える。男性ホルモンを抑える。（女性のみ）

女性の難治性のニキビ、大人ニキビでは低用量ピル（マーベロン、ヤーズに限る）
抗男性ホルモン薬のスピロノラクトン（アルダクトン）が有効です。

4.皮脂を強力に抑える内服薬。

男女共通でイソトレチノインの内服が非常に有効です。
体重1kg当たり0.5mg（成人　20mg/日）で開始し、4~6ヶ月継続します。
累積の投与量が体重1kg当たり120mg~150mgで、長期的に良い状態が維持できます。
※イソトレチノインは催奇形性があるため、女性は内服中と内服後半年間は避妊が必要です。

option治療.スペクトラピール＋ヒーライト

ロングパルスヤグレーザーが皮脂を抑え、ヒーライトがニキビの炎症を鎮静化します。