かぜ・胃腸炎外来
かぜ・胃腸炎外来
2019年末から中国を起源に定期的に流行している感染症です。流行初期には重症率が高かったですが、度重なる変異とワクチンの効果により最近の重症化率は低く抑えられています。
多くの臨床データから、コロナワクチンには強い重症化の予防、一定の感染の予防の効果が認められています。一方で、効果に比べて副作用はほとんどありません。特に、65歳以上の高齢者の方や、糖尿病や自己免疫疾患などのリスクがある方には積極的な予防接種を推奨します。
子供や若い人の多くは無症状、もしくは普通の風邪のような軽い症状で治ることがほとんどです。
ただ、long-covidという数ヶ月続く倦怠感などの後遺症のリスクもあります。現時点では、症状の軽減や後遺症リスクの軽減に接種は有効です。
屋外の風通しがよく、人もまばらなところでは、マスクは要らないでしょう。
屋内での活動や電車内では感染のリスクは比較的高いと考えられ、マスク推奨です。
当院では、院内でのマスク着用をお願いしております。
ゾコーバ、ラゲブリオ、パキロビットの3種類があります。
ゾコーバ(シオノギ)は重症化のリスクのない軽症の方に使えます。重症化予防効果は示されていませんが、症状の日数短縮のデータがあります。リスクがある方に軽症〜中等症では経口薬のラゲブリオ(メルク)、パキロビット(ファイザー)で重症化リスクを低減する効果があります。ゾコーバとパキロビットは併用する薬の制限が多く、当院ではラゲブリオのみ取り扱っております。
インフルエンザは関節痛や高熱が辛いものです。症状を早く緩和するために、ウィルスを抑えるタミフル、解熱剤(カロナールやロキソニン)を積極的に内服すると良いでしょう。10月〜12月頃にインフルエンザワクチンをうっておくことも軽症化に役立ちます!
日本と海外で推奨が異なっております。日本では13歳未満は2回推奨です。
一方米国では9歳未満で、これまでに2回やっていない方のみ2回推奨です。
1回接種の方が楽ですが、免疫はより多い方が防御には有効です。ご希望により接種回数を決定いたします。
かぜの症状は鼻水や喉の痛み、咳などです。原因のほとんどはウイルスで、抗生剤は効果がありません!
ヘルパンギーナ、プール熱、手足口病、突発性発疹、りんご病など、症状が特徴的な「かぜ」もあります。解熱剤などで体を楽にして、ゆっくり休んで治るのを待ちましょう。
かぜの原因はほとんどウィルスです。抗生物質は細菌に対しては有効ですが、ウイルスには効きません。そして、ほとんどのかぜは自分の免疫で治っていきます。かぜを引いたら、無理せず休みましょう!
咳や熱、ノドの痛みを楽にする薬を処方します。咳は症状の中で比較的長引きやすいので、しばらく咳止めが必要なことも多いです。
扁桃炎は、原因が細菌のこともウィルスのこともあります。扁桃炎の原因細菌の代表が溶連菌です。この場合は抗生物質が有効なので、使用することもあります。特に、咳や鼻水もなく、ノドの痛みと高熱が辛い場合は、細菌のことが多いです。
胃腸炎の原因は食中毒が多いです。牡蠣で有名なノロウィルスが代表です。
生焼けの焼き鳥や焼肉、鳥刺し、レバ刺しなどでのカンピロバクターも胃腸炎の原因として多いです。これは食べてから2-3日空いてから症状が出ます。
他にもサルモネラ(肉・卵)、ビブリオ(魚介類)などの病原体があります。いずれも食品の十分な加熱が予防に有効です。
ノロウィルスには特効薬はありません。吐き気止めを飲みながら、しっかり水分摂取していれば良くなります。カンピロバクターは抗生剤が有効なことも多く、処方しています。脱水の予防が最も重要です。市販のOS-1やスポーツドリンクを使って、水分をしっかり補給しましょう。
胃腸炎の治療の基本は脱水の予防です。自宅で出来る経口補水療法(ORT oral rehydration therapy)を紹介します。水1Lに対して、砂糖40g(大さじ4杯と半分)、塩3g(小さじ半分)、お好みでグレープフルーツジュースや、レモン汁を加えるとつくれます。下痢や吐き気はいずれおさまります。OS-1やポカリスエットなどをこまめに摂取しましょう。