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リウマチ科

リウマチ科|埼玉県蕨市の内科・リウマチ科・アレルギー科|しょう内科クリニック

リウマチ科

Rheumatology

リウマチから関節を守るための、継続可能な治療とは

結論から申し上げますと、費用負担を最大限考慮した、考え抜かれた処方計画が最も重要です。現在のリウマチ診療では高額な治療がどんどん処方される傾向があります。さらに重要なことに、本当に残念なのですが、現在のところリウマチを完治させる治療薬はありません。

つまり、リウマチは長い人生をかけて付き合っていく病気となります。治療費が高すぎて治療を中断するようならば、目標が達成できません。人生では、他にお金が必要になることもたくさんあるでしょう。継続可能な治療で、関節リウマチの諸悪の根源である炎症を継続的に抑えて、将来の関節を病気から守ることが必要です。

下記に主な治療薬の薬剤費の目安をお示しします。

薬剤名 標準使用量での月額薬剤費 3割負担での月額
1)免疫調節薬 / /
アザルフィジンEN 2,700円 810円
リマチル
(ブシラミンの先発品)
2,700円 810円
ブシラミン 1,200円 360円
ケアラム 9,600円 2,880円
2)免疫抑制薬 / /
リウマトレックス
(メトトレキサートの先発品)
3,040円〜4,520円 912円〜1,356円
メトトレキサート 1,960円〜2,960円 588円〜888円
プログラフ
(タクロリムスの先発品)
26,100円〜50,700円 7,830円〜15,210円
タクロリムス 11,400円〜21,600円 3,420円〜6,480円
3)生物学的製剤 / /
オレンシア点滴 110,400円〜165,400円 33120円〜49620円
オレンシア皮下注射 113,480円 34,044円
アクテムラ皮下注射 64,960円 19,488円
シンポニー 116,160円 34,848円
エンブレル
(エタネルセプトの先発品)
97,640円 29,292円
エタネルセプトBS
(後発品)
61,800円 18,540円
ヒュミラ
(アダリムマブの先発品)
121,280円 36,384円
アダリムマブBS
(後発品)
79,700円 23,910円
4)JAK阻害薬 / /
ゼルヤンツ 159,600円 47,880円
オルミエント 158,100円 47,430円
リンヴォック 149,100円 44,730円

表を見てお気づきになった通りですが・・・(3)生物学的製剤,(4)JAK阻害薬の価格が非常に高くなっています。これらの薬は炎症を抑える効果が非常に高く、患者さんに恩恵をもたらしています。しかし、その費用負担を考えると全ての人にできる治療とは言えません。

関節リウマチで第一選択となる薬剤は、今も昔もメトトレキサートです。効果と費用のバランスが優れたお薬で、これを上手に使用することが鍵になります。
当院では、メトトレキサートを軸に、費用負担を考え抜いた継続可能な治療を行います。

生物学的製剤やJAK阻害薬の価格は非常に高額です。これらの薬は炎症を抑える効果が非常に高く、患者さんに恩恵をもたらしています。
しかし、その費用負担を考えると全ての人にできる治療とは言えません。

関節リウマチで第一選択となる薬剤は、今も昔もメトトレキサートです。効果と費用のバランスが優れたお薬で、これを上手に使用することが鍵になります。
当院では、メトトレキサートを軸に、費用負担を考え抜いた継続可能な治療を行います。

リウマチについて

リウマチとは

リウマチについて

リウマチは関節に炎症を起こす病気です。痛いですし、放置すれば関節が壊れます。一般にいうリウマチとは、正式には関節リウマチという病気です。
よく温泉の効果・効能にリウマチとありますが、残念ながら温泉で関節リウマチが良くなることはありません。
関節リウマチの症状について触れておきます。典型的には関節が腫れて痛みます。特に手や指、足の指など、小さい関節に症状が多い傾向があります。
また特に朝起きたとき、長い間じっとしていた後に、体がこわばって動かし辛い症状が特徴的です。
怪我であれば動かすと痛いのですが、関節リウマチの患者さんはその逆で、動かないときにこわばって痛くて辛かったりします。これが関節に炎症が起きている証拠でもあります。
よく冷やした方が良いか?温めたほうが良いか?との質問を受けますが、炎症は温めて良くなることはないでしょう。また、根っこには免疫の問題があるため、冷却や温熱で治ることはありません。

関節リウマチは膠原病の1つ

じつは関節リウマチは膠原病の1つです。免疫の異常により自分の免疫が自分の体を攻撃してしまう病気を膠原病とよんでいます。膠原病には関節リウマチ以外にもさまざまな病気があります。リウマチは、自分の免疫が特に関節に(正確には、滑膜という関節を包んでいる膜の炎症)攻撃を加えてしまい、炎症を起こす病気です。ややこしいですね。なぜそんなことがおきてしまうのでしょうか?
遺伝的な基盤に加え、喫煙や歯周病などがきっかけとなり体の中に異常な免疫物質がつくられることが主な原因と考えられています。
この異常な免疫物質はリウマチ因子や抗CCP抗体として検査可能です。
いったん異常な免疫物質が出来ると自然に治ることは期待出来ません。
関節リウマチは痛いのも大変問題ですが、炎症が続くと時間とともに関節が変形し、ゆるゆるになったり、逆に関節が固まってしまうこともあります。
こうなってくると元には戻らなくなってしまいますので、適確な診断と早期治療が大切です。

治療について

治療の目標は異常な免疫を抑えること、また炎症を抑えることです。理想をいえば体質的に改善して根本治療が出来ればよいのですが、そういう治療はまだありません。
しかし最近では、関節リウマチの治療薬(飲み薬も注射薬もあります)は劇的に進歩しており、炎症と変形をかなり抑えられるようになってきました。
禁煙や歯周病の治療は関節リウマチが良くなるとまでは言えませんが、根っこの問題へのアプローチでもあるため是非取り組んでください。

関節リウマチと症状が似ている病気

関節リウマチと似ている病気に、変形性関節症と腱鞘炎があります。年齢を重ねてくると、関節の軟骨はすり減り、関節周辺はゴツゴツと硬くなっていきます。これが変形性関節症という状態です。
遺伝的になりやすい方もいますが、基本的には若い人はなりません。
特に体重がかかる股関節や膝や背骨、よく使う手指に影響が出やすくなってきます。
関節のクッションの役割をしている軟骨がすり減ってくるわけですから、関節が曲がりづらくなってきたり体重をかけたりすると痛みます。また背骨の中の神経が通る場所(脊柱管)が狭くなって神経を圧迫することもあります。肩の痛みや手のしびれ、腰痛、歩いていると脚が痛んだりしびれたりといった症状が出ることがあります。これらを脊柱管狭窄症と呼んでいます。
また、腱鞘炎も関節リウマチの症状と似ています。腱鞘炎は特に、手首、親指、中指、薬指の指の付け根に起こりやすく、ばね指になることもあります。ばね指とは、指を曲げて伸ばすときに引っかかりを感じる症状のことです。腱鞘炎は指の使い過ぎや、加齢によって出てきます。

こういった病気と関節リウマチでは症状は似ていますが、治療が全く異なってきます。
当院では診察、血液検査、関節のレントゲン撮影や超音波検査を用いて適確な診断を行っていきます。

このような症状の方はご相談ください

  • 手、肩、腰、膝、足などが痛い
  • 特に朝起きた時に関節がこわばる
  • 関節が腫れて熱をもっている
  • 関節が変形している
  • 夜寝ている時に体が痛い、寝返りが打てない
  • 微熱が続く
  • 「リウマチの炎症はない」と言われているが痛みが取れない
  • リウマチの治療費が気になっている

リウマチの検査

血液検査

血液検査は関節リウマチの診断に非常に有用です。
診断のためには病的な免疫を調べる検査として、リウマチ因子(RF)と抗CCP抗体を主に調べます。
言い換えると、これらはリウマチ体質を調べる検査といえます。関節リウマチであればどちらかが陽性になることが80%程度です。特に抗CCP抗体はリウマチとの繋がりが深く、リウマチ以外の病気で陽性になることはほとんどありません。
反対にリウマチ因子は、健常な方にも陽性みられることも多いです。ですので、健診でリウマチ因子が陽性でも、症状がなければリウマチである可能性は低いでしょう。抗CCP抗体の結果を重視します。これらは原則として診断の時に用います。リウマチ患者さんの20%で、リウマチ因子と抗CCP抗体がともに陰性になります。この場合は血液検査が診断の参考になりません。診察や超音波検査の所見を総合して診断します。
普段の関節の炎症の程度を知るためには、CRPや赤沈、MMP-3といった項目で評価していきます。

CRP(C反応性タンパク)
CRPは、体内に炎症や組織の破壊がある時に、肝臓で作られる特殊なタンパク質です。関節リウマチだけでなく、感染症など炎症を伴うさまざまな病気で値が高くなります。炎症が指などの小さい関節に限られている場合などは陰性のこともあります。
リウマトイド因子(RF)
リウマトイド因子は異常な免疫物質なのですが、健康な方にも陽性の方がたくさんいます。関節リウマチの患者さんの約80%の方が陽性ですが、残りの20%の方では陰性となるため、たとえリウマトイド因子が陰性でも関節リウマチではないとは言い切れません。また早期の方では陽性率は著しく低下します。
抗CCP抗体
抗CCP抗体は、関節リウマチ以外の疾患で上昇することは少ないため関節リウマチの診断に非常に有用です。発症前から陽性になることもあり、早期の関節リウマチの診断にも役立ちます。ただこちらも関節リウマチの20%の方で陰性となりますので、抗CCP抗体陰性でも関節リウマチで無いとはいえません。

画像検査

上記のように血液検査や診察だけでは診断や炎症の状態の把握には限界があります。関節超音波検査(エコー検査)は関節の炎症をその場でリアルタイムに確認することができます。採血で分からない炎症を拾い上げることができます。またレントゲン検査では今までの関節のダメージを確認できます。
診断、病気の進行をチェックするうえで大切な検査です。

画像検査の特徴

X線検査(レントゲン検査)
X線検査は、主に関節の骨の状態をみる検査です。関節リウマチで骨に変化が出るのには時間を要します。ですから現在の病気の良し悪しというより、今までのダメージを把握するために使います。関節全体がひと目で分かりやすく、以前のX線との比較でリウマチの進行を確認するのに重要です。1年おきぐらいの間隔で検査を行います。
超音波(エコー)検査
現在の炎症の状態(滑膜の炎症の有無)をみることが出来ます。採血では分からない炎症が判明することも、しばしば経験します。レントゲンの様にひと目で全体を見ることは出来ませんが、その時点の病気の良し悪しの判定には非常に有効です。
被曝など体への影響もなく、簡便に繰り返し検査ができます。当院では多用する検査です。

リウマチの治療

リウマチの内科的療法

兎にも角にも、炎症を抑えていくことが内科的治療の最大目標です。炎症が抑えられれば痛みも取れますし、関節の破壊を止められるからです。時間も大切です。リウマチは初期の段階で、関節が壊れるスピードが速いことが分かっています。ということで、関節リウマチの診断がついたら可能なかぎり早期に治療を開始した方が良いです。使用可能であれば第1選択薬はメトトレキサートの飲み薬です。
この薬が関節リウマチの病的な免疫反応を抑えてくれます。
十分な治療効果がない場合にはメトトレキサートを増量、もしくは他の薬を併用していきます。

併用薬としては、少量のステロイド、タクロリムス、アラバ、アザルフィジン、リマチル、ケアラムなどを使用することがあります。注射薬である生物学的製剤(アクテムラ、ケブザラ、オレンシア、エンブレル、レミケード、シンポニー、シムジア、ヒュミラ)や内服薬のJAK阻害薬(ゼルヤンツ、オルミエント、スマイラフ、リンヴォック、ジセレカ)は治療効果が非常に高いですが、注意すべき副作用や、高額といった面があります。治療には、本当に色々な選択肢があります。
当院では費用のことも含め、あなたに合ったベストソリューションを提案していきます。出来るだけ副作用のリスクを少なくして、最大限の効果をあげることを目指します。

リウマチの外科的療法

内科的治療を行っても関節炎がコントロールされず整形外科的な合併症が出た場合や、関節破壊が高度になり日常生活において支障をきたすようになると手術療法が行われます。手の伸展筋腱断裂に対する手術、膝や股関節などの人工関節置換術、頚椎脱臼などの関節固定術、手首や足の指の関節形成術があります。
手術が必要な場合は、整形外科をご紹介いたします。