麻疹
麻疹
麻疹ウィルスによって起こる、感染症です。
人から人へ感染します。ワクチンの普及によって感染率や死亡率が下がってきていますが、感染力と死亡率が高く、危険な感染症です。
セネガルの麻疹流行で、全体の死亡率6.5%、5歳以下の子供の死亡率は9.8%であった。Michel Garenne,The Journal of Infectious Diseases, Volume 161, Issue 6, June 1990, Pages 1088–1094
衛生状態が悪い国では、麻疹は免疫が無い人だと5-10%の確率で肺炎や脳炎で亡くなります。
先進国では発症すると0.1%の方が亡くなります。インフルエンザウィルスや新型コロナ感染の0.01%程度と比べると危険な感染症です。
麻疹は、空気感染します。とても感染力が強いのが特徴です。コロナやインフルエンザウィルスよりもはるかに感染しやすいです。
コロナではマスクや手洗いで、感染予防ができますが、麻疹では予防できません。
直接会話しなくても、同じ新幹線に乗り合わせただけで感染が起こっています。
N95マスクが有効です。
1990年4月2日以降生まれの方は定期接種で2回のワクチンを接種しています。
2回ワクチンを打てば99%の方が免疫がつきます!まずは自分の母子手帳を確認しましょう
1990年4月1日以前に生まれた方は、免疫が十分にない可能性があります!
定期ワクチン | 追加必要なワクチン数 | |
1972年9月30日以前に生まれた方 | 0回 | 2回(1ヶ月は空けて) |
1972年10月1日〜1990年4月1日に生まれた方 | 1回 | 1回 |
1990年4月2日以降に生まれた方 | 2回 | 不要 |
ワクチンは基本的に2回やればOKです。
1972年9月30日以前の方→2回接種追加
1972年10月1日〜1990年4月1日に生まれた方→1回接種追加
1990年4月2日以降に生まれた方→追加接種不要
となります。
麻疹に対する免疫があれば、麻疹にかかることはまずありません。
麻疹への免疫があるかは、どうすれば判断できるでしょうか?
ワクチンを2回接種していれば、免疫はついていると判断します。
この場合抗体検査は不要です。麻疹にかかるリスクはほとんど無いと思ってください。
1回接種のみの場合は、抗体検査よりも追加接種が推奨されます。
ワクチンを2回以上接種しても、EIAで16以上にならない方もいます。そのため、たまに追加で何回も接種している方がいますが、原則2回ワクチン接種歴があればOKです。
ワクチン接種歴が不明な方は、以下の表を参考に必要接種数を決めます!
必要なワクチン回数 | 2回 | 1回 | 不要 |
抗体価(EIA-IgG) | 2未満 | 2以上16未満 | 16以上 |
抗体検査(EIA-IgG)で16以上あればワクチンは不要です。16未満でワクチン未接種であれば2回ワクチンを打ちましょう。
感染するきっかけがあってから、症状が出るまでの期間は約1週間〜3週間です。
発症までにかなり時間があるため、感染機会のことを思い出すのが難しいかもしれません。
麻疹は咳やくしゃみが強い時期に最も移りやすくなります。
発疹消失後4日、または解熱後3日くらいまでは感染力があります。
このうち、カタル期の感染力が最も強いです。全体としては、発症の1日前〜解熱後3日を過ぎるまでは感染力があります。
麻疹ウィルスを減らす治療薬はありません。解熱剤などの対症療法しかありません。
ワクチンによる予防が最も有効です。
しかし、感染機会に出会って72時間以内であれば、ワクチン接種による発症予防効果が期待できます。
麻疹には治療薬がないため、免疫があるかどうかが最も大切です。
母子手帳で麻疹ワクチンや麻疹・風疹混合ワクチンを2回接種していれば大丈夫です。
1回接種のみの場合は、もう1回接種を受けましょう。今まで未接種の場合は、2回接種を受けましょう。
ワクチンは未接種で、麻疹にかかったことがあることは、抗体検査が推奨です。
早く麻疹の拡大がストップし、終息することを願います。