高血圧
高血圧
血圧とは心臓から送り出された血液が動脈の内壁を押す力のことで、高血圧症は、正常範囲よりも高い血圧が続く場合をいいます。
・収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上
・拡張期血圧(最小血圧)が90mmHg以上
※ご自宅で測る家庭血圧の場合は、診察室よりも5mmHg低い基準となります。
日本人の高血圧症の約90%がこのタイプの高血圧といわれています。特に1つの原因でなるというわけではありません。遺伝的要因と塩分の摂り過ぎ、肥満、過度な飲酒、喫煙、運動不足、精神的なストレスなどの環境的要因が重なって血圧が上がります
意外と多いと言われているのが、原発性アルドステロン症による高血圧です。アルドステロンというホルモンの出過ぎで血圧が上がります。通常の高血圧の薬が効きづらいです。
高血圧を放置すると、心筋梗塞や脳卒中のリスクが上がってきます。少しの上昇でもリスクになります。
心血管病や脳卒中について、血圧の安全閾値はない。少しの血圧の上昇でも、リスクの上昇と関係していた。S MacMahon, PhD,EPIDEMIOLOGY| VOLUME 335, ISSUE 8692, P765-774, MARCH 31, 1990
血圧はなるべく低めに保つのがベターと言えそうです。
飲酒と高血圧の組み合わせは、特に脳出血のリスクが高くなります。
実際、お酒を大量に飲む方が重症の脳出血を起こすのはよく経験します。
アルコール摂取量が日本酒にして「1日平均約1合未満」から、飲酒量が増えるにつれて、出血性脳卒中の発症率は段階的に増える。この理由としてはアルコールの血圧上昇作用以外に、血液を固まりにくくする作用が働いているためと考えられる。Hiroyasu Iso, stroke,2004 May;35(5):1124-9.
脳梗塞に関しては、多量に飲まなければリスクにはなりません。
慢性的に血圧が高いと頭痛がしてくる感じがする方もいるかもしれません。
実は少し血圧が上がっただけでは通常は頭痛はしません。
脳卒中がおきれば頭痛はありますが、ほとんどは他の症状もあるのでわかります。
体が痛い、頭が痛い、精神的に不安である。などの理由で血圧が上がることの方が実際は多いです。
片頭痛の発作中や群発頭痛の発作中に一時的な高血圧が発生することがある。(Mathew, https://doi.org/10.1177/0333102499019S250)
この場合は、体の症状がおさまれば血圧も自然に下がってきます。ですので体の治療を優先しましょう。
塩分制限は、頑張れば結果が出る治療です。全てに気を配るのは無理ですが、麺類を食べる時の汁を飲まないようにしましょう。
お酒を飲んだ直後は血圧が下がりますが、長期的に見れば上がってきます。特に大酒飲みの方は、脳出血が増える傾向があります。
肥満の人が体重を落とすと血圧が下がってきます。10%程度減れば、効果を実感できるでしょう。
減塩も、節酒もできない・・・したくない。という方はお薬の治療でコントロールするのが良いでしょう。1剤〜3剤程度使ってコントロールすることが多いです。目標は130/80程度未満です。