関節リウマチ
関節リウマチ
関節リウマチと間違いやすい病気の1つに指の変形性関節症があります。
病気というよりは年齢と遺伝による変形です。
女性により多い傾向もあり、50歳以上になると急に増えてきます。
①へバーデン結節
第1関節のゴツゴツです。
②ブシャール結節
第2関節のゴツゴツです。
根治的な治療方法は今のところありません。
時期によっては痛みが強く、水が溜まったようになることもあります。
痛み止めの内服薬や外用薬で痛みは改善します。
多くの関節が炎症を起こすのですが、手首、指の付け根の関節が圧倒的に多いです。
他に肩、肘、股関節、膝、足首、足の指の付け根、顎関節、頚椎もあります。
関節リウマチを発症する人は自分を攻撃する抗体ができてしまいます。
これが抗CCP抗体であり、リウマチ因子です。
ただリウマチ因子は健康な人や、ウィルス性肝炎の方が陽性になることも多いです。
逆に、抗CCP抗体はほぼリウマチの方しか陽性になりません。
抗CCP抗体の有無が診断に非常に大切です。
1つは遺伝的要因があります。2つ目は環境要因(喫煙、歯周病など)
遺伝的な要因に、喫煙による肺への刺激、歯周病による歯肉への炎症が加わると、自分を攻撃する抗体ができてしまいます。
遺伝的要因だけで全てが決まるわけではありません。家族にリウマチの方がいなくても、リウマチを発症することはあり得ます。
多くの患者さんは抗CCP抗体かリウマチ因子が陽性です。
しかし、20~30%の患者さんは、抗CCP抗体もリウマチ因子も陰性です。
現在は測定できない抗体(抗カルバミル抗体)などが関与している可能性もあります。
治療は同様に有効ですので、ご安心ください。
リウマチを発症しやすい人はHLA-DRB1という遺伝子に、ある共通部分があることがわかっています。
この共通部分がある方は、抗CCP抗体ができやすいことがわかっています。
ご両親のどちらかがリウマチだった方は、発症リスクが高いと言えます。
遺伝的なものに、喫煙による刺激、歯周病による炎症などが加わると、免疫の異常が起きやすくなります。
前述の抗CCP抗体ができやすくなります。禁煙と歯周病の抑制がリスクを下げます。
残念ながら、リウマチを完治させる治療方法はまだありません
しかし、お薬の進歩は素晴らしく、とても有効な治療薬があります。
しっかり関節の炎症を抑えられれば、普通の生活を送ることができます。
自分に対する免疫を抑える、免疫抑制剤です。有効率も高く、他の薬剤の有効性も高めてくれます。
内服も注射剤もありますが、注射剤の方が副作用が少なく、効果も高いです。副作用は、軽いものは嘔気や口内炎、肝障害がります。。稀なものに肺炎、リンパ腫があります。
炎症物質を抑えるために設計された、注射剤です。9種類の注射剤があります。メトトレキサートとの併用でさらに効果が期待できます。
一番新しく効果も高い、内服薬です。5種類発売されています。基本的にはメトトレキサートと併用します。生物学的製剤が無効の方にも効果を発揮するほど優れています。帯状疱疹のリスクが高まるため、ワクチン接種推奨です。
基本的には1から始めて、効果が十分なければ2、もしくは3を併用していきます。ネックは2,3の価格が高いことです。3割負担で月に約1万5千円〜4万円かかります。その代わりに、プレドニン、アザルフィジンや、リマチル、ケアラム、タクロリムスといった内服のお薬を使うこともあります。