腰痛・骨粗鬆症|埼玉県蕨市の内科・リウマチ科・アレルギー科|しょう内科クリニック|土曜診療

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腰痛・骨粗鬆症

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腰痛の原因は〇〇かも?

腰痛の原因は骨折かも?

腰痛はありふれた症状です。20代〜40代の若い人の腰痛ならば、一時的な筋肉の痛みのことがほとんどです。長くても2週間程度で良くなってきます。ただし、腰痛が長引く場合は注意が必要です。

高齢者は隠れ腰椎圧迫骨折が多い

高齢で、特に女性の方は骨が弱くなるスピードが早くなってきます。

しつこい腰痛だと思っていたら、背骨の圧迫骨折だったということが良くあります。

下の写真の丸枠で囲んだ部分が骨折している部位です。長引く腰痛の場合は、レントゲンと骨密度を検査しましょう。

・中年以降の女性の腰痛は骨粗鬆症と圧迫骨折に注意!

圧迫骨折はいきなり起こるわけではありません。

骨粗鬆症の段階で適切に治療すれば、骨を強く保てます。

1%の骨密度の上昇が3%の圧迫骨折りすくの低下と関連していた。Cummings et al. CLINICAL STUDY| VOLUME 112, ISSUE 4P281-289, MARCH 2002

 

骨を強く保てれば、圧迫骨折を予防できます。

この記事では骨の検査や効果的な治療を紹介していきます。

 

骨粗鬆症の評価は正確な検査から

骨粗鬆症の評価は正確な検査から

骨粗鬆症検査のゴールドスタンダードは腰椎と大腿骨近位部のDEXA法による検査である。骨粗鬆症ガイドライン2015より

骨粗鬆症の正確な検査には腰椎と大腿骨近位部が必要です。

健診などのオプションで踵や腕の骨で測る簡易の検査がありますが、測定する骨の種類が違うため、大きく誤差が出ることがあります。

ポイント:骨密度の検査は腰椎・大腿骨が国際標準。簡易検査(踵・腕)は誤差が多い。

富士フィルムのHPよる抜粋

正確な機器は、こんな見た目になります。5分程度で測定は終了です。

ご自分が受ける検査を事前に確認することをお勧めします。

腰痛が長引く原因3つ

普通の腰痛は痛み止めなどで、2週間程度で自然によくなることが多いです。

腰痛が長引いた場合(2週間以上)は、詳しく原因を探る必要があります。

ただの腰痛ではなくて圧迫骨折だった

特に高齢の女性の腰痛では、多い原因です。

咳をした時・・・車が少しの段差で揺れた時。そのくらいの軽い衝撃でも圧迫骨折が起こることがあります。

腰の痛みが長引く場合は、腰椎のレントゲン検査、骨密度検査を受けましょう。

・咳や車の揺れ程度の衝撃でも、圧迫骨折は起こり得る。

 

脊柱管狭窄症も多い

脊柱管とは腰から脚に向かう神経が通るスペースです。

年齢や酷使が原因で、腰を通って脚へ向かう神経が圧迫されます。

典型的な人は歩いていると脚が痺れたり・痛くなってきます。休むと改善します。

・立ったり・歩いていると痛くなってきて、休むとよくなるのは脊柱管狭窄症の可能性が高い

付け加えると、動脈硬化で足の血管が細くなっても、歩くと足が痛くなることがあります。

腰痛で癌が隠れていることがある

・腰痛と一緒に熱がある。

・夜寝ている時などの安静時に腰痛が強く、歩くと痛みが和らぐ。

こんな症状があったら、早めにMRI検査を受けた方が良いです。

癌やリウマチ性疾患による腰痛の可能性があります。

 

骨粗鬆症の治療まとめ

骨粗鬆症や圧迫骨折による腰痛の場合、消炎鎮痛剤で痛みをとることも大切です。

同時に、最も大切なのは原因になっている骨粗鬆症を改善することです。

これにより痛みの改善、次の骨折の予防ができます。

食事治療

基本的なことにはなりますが、カルシウムの摂取が骨粗鬆症の予防に有効です。

成人1人1日当たりの推奨量は、男性で700mgから800mg、女性で650mg。日本人の食事摂取基準(2020年版)

 

一方でカルシウムの摂りすぎにも注意する必要があります。特にサプリメントで補充する場合は注意が必要です。なるべく、乳製品や小魚などから摂取しましょう!

高齢女性のカルシムサプリメント摂取が心筋梗塞のリスクと相関していた。Bolland, M.J et al. BMJ 2008336, 262–266. 

 

特にアルファロールやエディロールを内服している方は高カルシウム血症になることがあります。

高カルシウム血症になると腎結石、脱水のリスクが高まります。体調がおかしいと思ったら受診して採血検査を受けましょう!

運動療法

運動としては骨に重力がかかる運動は有効です!

痛みがなく、体調が良い時に始めましょう。

より効果的な運動は・・・縄跳び≧スクワット筋トレ>ジョギング>ウォーキング>サイクリング>スイミング

週3回、1日10回〜50回の縄跳びは、筋力トレーニングよりも骨密度上昇に有効だった。Hande Basatet al.Journal of Back and Musculoskeletal Rehabilitation, vol. 26, no. 4, pp. 427-435, 2013

週3回のマシーンを使ったスクワット筋トレ(限界負荷の50%8-12回、85-90%運動を4-6回)で腰椎の骨密度が2.9%、大腿骨近位部の骨密度が4.9%上昇した。

 

高強度の運動の方が効果的・・・ですが、怪我にも注意が必要です。

縄跳びや筋トレは、比較的若い閉経後の女性向けです。

高齢の方はウォーキングがオススメの運動です。

薬物治療

  1. 軽度の骨粗鬆症の方におすすめの治療

    内服ビタミンD製剤(エディロール、アルファロール)
    +内服SERM(骨に女性ホルモン作用、ラロキシフェンorバゼドキシフェン)

  2. 中等症の方

    抗RANKL抗体(プラリア:半年に1回の注射)、ビスホスホネート製剤(内服:ボナロン、アクトネル注射:ボンビバ、リクラスト)

  3. 重度の骨粗鬆症(圧迫骨折を起こしたことがある)

    イベニティ(月1回注射を12ヶ月)、フォルテオ(自宅で毎日注射を2年)、テリパラチド(自宅かクリニックで週1回〜2回注射:2年)

 

骨粗鬆症の治療には正確な検査、食事・運動、さらに段階に応じた薬物治療の組み合わせが大切です。

是非、クリニックで自分に合った治療を提供してもらってください!