FAGAの原因は完全には解明されていません。

いくつかの原因が指摘されています。

1. 女性ホルモンの減少
   年齢とともに女性ホルモンであるエストロゲンが減少すると、抜け毛が増えてきます。
2. 男性ホルモンの作用
   女性にも少量の男性ホルモンが存在しています。男性型脱毛と同様、男性ホルモン作用が抜け毛に関与していると言われています。
3. ライフスタイルの乱れ
   過度なダイエット、ストレス、不眠なども悪化要因です。
4. 遺伝
   遺伝的原因により、アンドロゲンの影響をより受けやすくなることが指摘されています。

これらの原因により、毛髪の成長期が短くなることで、薄毛が進行してきます。

 

女性型脱毛（FAGA)と男性型脱毛（AGA)はともに薄毛になりますが

薄毛のパターンや原因に相違があります。

1.薄毛のパターンの違い

男性の薄毛は生え際、頭頂部から始まって進行します。

女性の薄毛は全体、特に頭頂部が中心に薄くなってきます。

2.原因の違い

男性型脱毛は男性ホルモンの影響がメインなのに対して、女性型脱毛は、多くの原因に対処する必要があります。女性の薄毛は女性ホルモンの低下、男性ホルモンの影響、遺伝、ライフスタイルなど、多因子が関わっています。

栄養、男性ホルモン作用を弱める、毛髪の成長サイクルを活発にする、

この３つの組み合わせが治療に有効です。

1.栄養

パントガールはL-シスチン、ビタミンB群、パントテン酸、医療用酵母、ケラチンが配合された薄毛専用の治療サプリメントです。毛髪の成長に必要な栄養素により、抜け毛の減少と発毛の促進効果があります。安全性も高く、長期に継続可能な治療の１つです。

・６ヶ月の内服で毛髪の正常化が確認された。Lengg, N., et al., Dietary supplement increases anagen hair rate in women with telogen effluvium: results of a double-blind, placebo-controlled trial. Therapy, 2007. 4(1): p. 59-65.

・3−６ヶ月の内服で85-90%の患者で良い結果を得た。抜け毛のレベルが正常化した。Bergner, T., Diffuses Effluvium, Haarstrukturschäden und Nagelwachstumsstörungen erfolgreich therapiert. Der deutsche Dermatologe, 1999. 47(11): p. 881-884.

2.男性ホルモン作用を弱める：スピロノラクトン

スピロノラクトンは利尿剤の一種ですが、男性ホルモンを抑える作用があります。男性ホルモンが、毛根に悪さをするのを防ぎ、発毛を促進します。1日2回、1回50mgを内服します。

スピロノラクトンがFPHL（女性型脱毛症）の治療に20年以上にわたりオフラベルで使用されており、髪の脱毛進行を停止させ、部分的な髪の再成長を達成する患者もいることが示された。Rathnayake, D. & Sinclair, R. Dermatol cli.2010 Jul;28(3):611-8

3.毛髪のサイクルを活発にする：ミノキシジル内服

ミノキシジルは毛根に働き、発毛を促進する効果があります。女性型の脱毛にも効果があります。

男性では1日5mgを内服しますが、女性では1日2.5mgから内服を開始します。

1日2mgの経口ミノキシジルで前頭部と頂部のエリアでそれぞれ38%、23%の髪の密度の改善が観察された。Vastarella, M. et al. Dermatol Ther.2020 Nov;33(6):e14234.

1-3までの治療を組み合わせるのが、効果的な治療です。

※ミノキシジルは血圧の低下、浮腫、体毛が濃くなるといった副作用があります。心臓に持病がある方は内服できません。ED治療薬（バイアグラ、シアリスなど）との併用はできません。
※パントガール、スピロノラクトン、ミノキシジルは妊娠中・授乳中には使用できません。

料金

診察料	1,100円
パントガール	パントガール 13,200円(30日分、税込)
スピロノラクトン	アルダクトン50mg　 110円/1錠(税込）
ミノキシジル	ミノキシジル2.5mg 19,800円（100日分、税込）