ニキビ
ニキビ
ニキビ治療で、最も大切なことの一つ。
それは、
「新しいニキビをできるだけ作らないこと」
です。
ニキビは、できるたびに炎症を起こします。
赤く腫れたニキビを何度も繰り返すと、治った後も赤みや色素沈着が残ったり、さらに炎症が強い場合には、皮膚が凹んだクレーター状のニキビ跡につながることがあります。
つまり、
新しいニキビができる
↓
炎症を起こす
↓
赤いニキビになる
↓
炎症を繰り返す
↓
ニキビ跡・クレーターにつながる
という流れをできるだけ断ち切ることが、ニキビ跡を予防するうえで重要です。
ニキビができると、多くの方は
「この赤いニキビを早く治したい」
と考えます。
もちろん、今ある炎症を治療することは大切です。
しかし、それだけでは十分ではありません。
今あるニキビが治っても、次のニキビができれば、また炎症が起こります。
そのため、ニキビ治療では、
① 今あるニキビを治す
② 新しいニキビをできにくくする
③ 結果的にニキビ跡が残らない
という3つを同時に考えることが重要です。
特に②の「新しいニキビをできにくくする」ことが、将来のニキビ跡を減らすための重要なポイントです。
ニキビは、主に次のような変化から始まります。
皮脂や角化異常によって毛穴の出口が詰まり、毛穴の中に皮脂がたまります。
毛穴に皮脂がたまった状態が「白ニキビ」「黒ニキビ」です。
実は、赤く腫れる前のこの段階から治療することが大切です。
毛穴の中でアクネ菌などの微生物が増殖し、炎症が起こると、赤ニキビや膿をもったニキビになります。
炎症が強くなったり、何度も繰り返したりすると、赤み、色素沈着、さらに凹凸のある瘢痕が残ることがあります。

マルホの資料より
ニキビ治療では、いきなり特別な治療をするのではなく、
「まず、基本となる治療を正しく、十分に行うこと」
が大切です。
ニキビは、一度治して終わりではありません。
新しいニキビが次々にできる状態を改善しなければ、赤いニキビを繰り返し、将来的に色素沈着やクレーターなどのニキビ跡につながることがあります。
そのため当院では、
① 毛穴の詰まりを改善し、新しいニキビを予防する
② 炎症を起こしているニキビを治療する
③ 新しいニキビをできにくくする状態を維持する
④ それでも繰り返す場合は、次の治療を検討する
というステップで治療を考えます。
ニキビ治療の基本となるのが、
ディフェリン(アダパレン)
ベピオ(過酸化ベンゾイル)
です。
これらは、単に「今あるニキビを治す薬」ではありません。
毛穴の詰まりを改善し、
「これからできるニキビを予防する」
ことが重要な役割です。
特にニキビが減ってきたときに、
「もうニキビがないから薬をやめよう」
となってしまうと、再び毛穴が詰まり、新しいニキビができてしまうことがあります。
そのため、
ニキビができている時期だけではなく、ニキビが落ち着いてきた後も、再発予防として治療を継続することが重要です。
赤く腫れたニキビや膿をもったニキビが多い場合には、
抗菌薬の外用・内服
を組み合わせます。
抗菌薬は、炎症性ニキビを早く落ち着かせるために重要な治療です。
ただし、抗菌薬は「ニキビをできにくくする治療」の中心ではありません。
そのため、
抗菌薬で炎症を抑える
+
ディフェリン・ベピオで新しいニキビを予防する
という組み合わせが大切です。
特に内服抗菌薬は、漫然と長期間使用するのではなく、炎症が改善したら適切なタイミングで終了し、予防治療へ移行することが重要です。
ニキビ治療では、
「薬をもらったけれど、あまり効かなかった」
という方も少なくありません。
しかし、ニキビ治療では、
薬の種類だけでなく、「どのくらいの量を」「どの範囲に」「どのくらいの期間」使ったか
が非常に重要です。
ディフェリンやベピオは、できているニキビだけに点で塗るのではなく、ニキビができやすい範囲に適切に使用して、新しいニキビを予防するという考え方が基本になります。
また、使い始めには乾燥や赤み、ヒリヒリ感などが出ることがあります。
症状が強い場合には、塗る量や頻度を調整しながら、治療を中断せず続けられる方法を一緒に探すことが大切です。
ディフェリン・ベピオなどによる予防治療と、必要に応じた抗菌薬治療を適切に行ってもニキビを繰り返す場合には、次の段階の治療を検討します。
特に女性では、
といった場合、ホルモンの影響が関係していることがあります。
その場合には、患者さんの状態を確認したうえで、
低用量ピル(当院ではマーベロン)
スピロノラクトン(アルダクトン)
などの自費治療を検討します。
通常の治療を十分に行っても改善しにくい重症・難治性のニキビでは、
イソトレチノイン
という選択肢があります。
皮脂分泌を強力に抑え、毛穴の角化異常や炎症にも作用する薬です。
海外では重症・難治性ニキビに広く使用されています。
使用する場合には、副作用、特に妊娠に関する重要な注意事項があるため十分に説明したうえで開始します。
ニキビ治療で本当に大切なのは、
「今あるニキビを治すこと」
だけではありません。
「新しいニキビをできるだけ作らないこと」
です。
新しいニキビができなければ、
新しい赤ニキビができない
↓
炎症を繰り返さない
↓
皮膚へのダメージを減らす
↓
赤み・色素沈着・クレーターを予防する
ことにつながります。
だからこそ、ディフェリンやベピオなどの予防治療をしっかり続けることが、ニキビ跡を防ぐうえでも重要なのです。
ニキビが繰り返す大きな原因の一つが、皮脂腺の過剰な活動と皮脂の過剰分泌です。
皮脂が多い状態では毛穴が詰まりやすくなり、コメドが形成され、そこから炎症が起こることで赤ニキビへ進んでいきます。
そのため、ニキビを根本的にコントロールするためには、
「できたニキビを治す」だけではなく、
「ニキビができる原因の一つである皮脂腺にアプローチする」
という考え方も重要です。
そこで有効なのが、
アクネトレント(イソトレチノイン)
と
Morpheus8(モフィウス8)
です。
イソトレチノインは、ニキビ治療において非常に強力な皮脂抑制作用を持つ薬剤です。
皮脂腺のサイズや活動を低下させ、皮脂の産生を強力に抑制します。
古くからの研究でも、イソトレチノインによって皮脂分泌が大幅に低下し、皮脂腺のサイズが著明に縮小することが確認されています。
つまり、
イソトレチノイン
↓
皮脂腺の活動を強力に抑える
↓
皮脂分泌が減少する
↓
毛穴が詰まりにくくなる
↓
新しいニキビができにくくなる
という方向から、ニキビをコントロールします。
現在では、イソトレチノインによる皮脂抑制には、皮脂腺細胞(sebocyte)の増殖・分化やアポトーシスなどが関与すると考えられています。
そのため、通常の外用治療や抗菌薬治療を行っても繰り返す重症・難治性ニキビでは、非常に重要な治療選択肢となります。
Morpheus8は、微細な針を皮膚に挿入し、針先からRF(高周波)の熱エネルギーを皮膚内部に届ける治療です。
この熱エネルギーは、肌の引き締めやコラーゲン産生だけを目的とするものではありません。
RFを用いたマイクロニードル治療では、皮脂分泌量を低下させる作用が報告されています。
実際に、フラクショナルRFマイクロニードル治療後に皮脂分泌が大きく低下した研究があり、ニキビの炎症性病変の改善も認められています。
また、皮脂腺をターゲットとしてRFの熱作用を利用する治療では、炎症性ニキビの有意な改善も報告されています。
つまりMorpheus8では、
RFの熱エネルギー
↓
皮脂腺周辺に熱作用
↓
皮脂腺の活動・皮脂分泌を抑える方向に作用
↓
皮脂による毛穴詰まりを減らす
↓
ニキビができにくい環境をつくる
というアプローチが期待できます。
アクネトレントとMorpheus8は、どちらも皮脂腺・皮脂分泌に着目した治療ですが、アプローチが異なります。
薬剤によって皮脂腺の活動を強力に抑える
RFの熱エネルギーによって皮脂腺に作用し、皮脂分泌を抑える方向に働きかける
という違いがあります。
そのため、ニキビ治療を
「表面のニキビだけを治療する」のではなく、
「ニキビができる環境そのものを改善する」
という視点から考えることができます。
ニキビでは、
皮脂の増加
+
毛穴の角化異常
+
Cutibacterium acnesの増殖
+
炎症
などが複雑に関係しています。
特に皮脂の増加はニキビの重要な病態因子の一つです。皮脂腺が過剰に活動すると、皮脂が毛穴にたまりやすくなり、ニキビができる環境が形成されます。
だからこそ、
「できた赤ニキビを抗菌薬で治す」
だけではなく、
「新しいニキビができる原因を減らす」
という治療が重要になります。
ニキビ跡を予防するうえでも、これは非常に重要です。
新しいニキビができるたびに炎症が起こると、
新しいニキビ
↓
炎症
↓
赤ニキビ
↓
炎症の繰り返し
↓
赤み・色素沈着
↓
場合によってはクレーター
につながります。
そのため、
「今あるニキビを治す」
だけでなく、
「新しいニキビをできるだけ作らない」
ことが、将来のニキビ跡を減らすために重要です。
当院では、まず
ディフェリン・ベピオなどによる予防治療
を基本とします。
赤く腫れたニキビが多い場合には、
抗菌薬の外用・内服
を適切に組み合わせます。
それでも、
「ニキビが繰り返す」
「皮脂が非常に多い」
「炎症性ニキビが多い」
「ニキビ跡ができ始めている」
という場合には、さらに一歩進んだ治療を検討します。
その選択肢の一つが、
低用量ピル
アルダクトン
アクネトレント(イソトレチノイン)
です。
また、患者さんの肌状態や治療目的に応じて、
Morpheus8によるRF治療
も検討します。
ニキビ治療のゴールは、
赤ニキビを一つずつ消していくことだけではありません。
大切なのは、
新しいニキビをできるだけ作らないこと。
そのためには、
毛穴の詰まりを防ぐ
+
炎症を抑える
+
皮脂をコントロールする
という複数の方向から治療することが重要です。
しょう内科クリニックでは、
ディフェリン・ベピオ
↓
必要に応じて抗菌薬
↓
難治性ニキビには低用量ピル、アルダクトン、アクネトレント、Morpheus8などを考慮
↓
ニキビが落ち着いた後はニキビ跡・クレーター治療へ
というように、
「今あるニキビ」から「将来の肌」まで考えた治療
をご提案します。
ニキビ跡は、できてから治すだけではありません。
新しいニキビを作らないことが、最も大切なニキビ跡予防の一つです。