地中海食の特性
- 果物や野菜を豊富に使用する。
- 乳製品や肉よりも魚を多く使う。
- オリーブオイル、ナッツ、豆類、全粒粉など未精製の穀物をよく使う。
- 食事と一緒に適量の赤ワインを飲む
ダイエット
現代人の食事は、糖質・脂質が多めの傾向があります。
リバウンドしづらい体づくりのためにも、食事の改善から取り組みましょう。
地中海食は通常の食事に比べ、1.75kg減少した。カロリー制限を加えると3.88kg、身体活動のアップで4.01kg、6ヶ月以上の継続でより大きな体重が得られた。(Published Online:20 Jan 2011https://doi.org/10.1089/met.2010.0031)
地中海食とは、イタリア、ギリシャ、スペインなどの地中海沿岸の国々の人が食べている伝統的な料理のことで、具体的には以下のような食事です。
1日に1回または3回の食事をする人々の体重、体脂肪、血圧、血中脂質濃度において、1日1回の食事の方が朝の空腹時血糖値が高く、血糖濃度がより持続的に上昇し、インスリンの反応が遅れることが示された。 ( Metabolism VOLUME 56, ISSUE 12, P1729-1734, DECEMBER 2007)
体重の減量と睡眠の関係はあまり知られていないかも知れません。
日本人は睡眠不足の方が多く、睡眠不足の解消が減量につながる可能性があります。
日本人の男女別平均睡眠時間は、世界平均の男性7時間7分に対して6時間30分、世界の女性平均7時間26分に対して6時間40分と、それぞれデータを分析した主要28カ国中最短の結果だった。(600万のPolar Sleep Plus(TMの)データを分析から)
6時間未満の短時間睡眠者は、7~8時間眠る人に比べ5kgの体重増加リスクが25%高かった。(obesity,Volume16, Issue3March 2008Pages 643-653)
GLP-1/GIP1受容体作動薬のマンジャロは特に効果が高く、減量効果に優れています。
吐き気、便秘、腹痛、めまいなど軽い副作用が多いです。
重篤なリスクはほとんどありませんが、膵炎や腸閉塞には注意が必要です。
とはいえ、絶対的な頻度としては稀と考えられます。
・乳がんリスクに関してGLP-1RAsが肥満や糖尿病の治療で使用された場合、乳がんのリスクを増加させる証拠は見つからなかった。(Journal of the Endocrine Society, Volume 5, Issue Supplement_1, April-May 2021, Pages A352–A353)
・全般的ながんリスクに関するメタアナリシスでは、GLP-1RAsがタイプ2糖尿病患者において全般的ながんリスクを増加させることは示唆されなかった。(Endocrine Volume 66, pages 157–165, (2019))
お薬での癌のリスクを心配する必要はなさそうです。
オゼンピックは1週間に1回の注射薬です。2mgが充填されたお薬を、ダイヤルを調整して0.25mg、0.5mg、1mgの量で1週間に1回注射します。いずれも食欲が治まるまで、少しずつ増量していきます。
上の図で赤と緑のラインがオゼンピックです。約90kgからのスタートで、40週使用し、0.5mgで4kg、1mgで5.6kgの減量効果が確認されています。
リベルサスという薬です。有効成分はオゼンピックと同じセマグルチドでオゼンピックの飲み薬版です。3mg、7mg、14mgと3種類の用量があります。有効性はオゼンピックと比較すると少し落ちる印象です。
糖尿病患者さんでの試験になりますが、上の図の紺色のバーがリベルサスの最大用量の14mgで、1年で平均4-6.2%の減量効果が確認されています。またリベルサス14mgがビクトーザ(サクセンダ)1.8mgよりも体重減少効果が高かったことが示されています。ただ、非常に吸収が悪い薬剤のため、飲み方に注意が必要です。以下の点を守って内服すると、薬の有効性が保たれます。
マンジャロ(成分名、チルセパチド)はGLP-1/GIP受容体作動薬です。オゼンピックやリベルサスはGLP-1単独の作用でしたがGIPの受容体にも作用することで、体重減少の効果が高まっています。
SURPASS-2試験(上図)の結果から、オゼンピックの1mg(-5.7kg)よりもマンジャロの5mg(-7.3kg)、10mg(-9.3kg)、15mg(-11.2kg)の効果が高くなっています。マンジャロ15mgではオゼンピック1mgの約2倍の体重減少効果がありそうです。
リベルサス、オゼンピック、マンジャロを減量目的で使う場合は自由診療です。
保険適応が効く肥満症の治療薬でウゴービがあります。
2024年2月22日に発売されたばかりのお薬です。
ウゴービの成分はオゼンピックと同一ですが、肥満症用に用量が1mg/週→2.4mg/週と
最大量が多くなっています。より強い効果が期待できます
実際、平均で15%弱の減量効果を認めています。(2.4mg使用時)
条件としては肥満症
ただし、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。
・ BMIが27kg/m²以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
・ BMIが35kg/m²以上
となっています。対象となる方はそれほど多くないかも知れません。
ウゴービの処方施設は日本循環器学会 ・日本糖尿病学会 ・日本内分泌学会のいずれかの学会の教育認定施設であること。厚労省のHPより
現在のところ、処方できる施設はほぼ病院に限られます。
今のところ処方のハードルは高いです。