ニキビ跡治療
ニキビ跡治療
ニキビ跡は、ニキビの炎症によって皮膚がダメージを受けることによって起こる傷跡(瘢痕)のことを言います。ニキビの炎症が長引けば長引くほど、炎症によるダメージが強くなり皮膚は弱くなります。
結果として、ニキビ跡が深く、大きくなってきます。
重度のニキビ跡が残っている場合、すぐにでも治療を始めたくなるかも知れません。
しかし、ニキビが抑えられていない状態で治療をしても、次々とニキビ跡が出てくるリスクがあります。
ですので、ニキビのコントロールができていない方は保険治療のディフェリン、ベピオ、抗生剤内服・外用といった治療や難治性の方はイソトレチノインでニキビをコントロールすることをお勧めします。
ニキビの活動性がある状態でもアグレッシブな治療が奏功する場合があります。
ポテンツァやモフィウス8といった針を刺して熱を加える医療機器はニキビ跡の改善効果が高いです。
これに加えて、皮脂を抑える効果があり現状のニキビを改善する効果が期待できます。
ニキビは毛穴が詰まって、皮脂がたまってくると白ニキビ、黒いニキビになります。そこからアクネ菌が悪さをしてくると黄色いニキビ、赤いニキビへと発展してきます。
モフィウスやポテンツァといったニードルRFは針の熱がアクネ菌を抑えるのと同時に
熱により皮脂腺を破壊し、皮脂を抑える効果があるため活動性のニキビにも有効です。(イソトレチノインとの併用が推奨)
ニキビ跡の原因
ニキビ跡の原因はアクネ菌によって起きる炎症の結果です。
炎症の程度によって
①皮膚が弱くなって凹む
②固くなる(線維化)
といった変化になります。
ですので治療方法としては
-機械系施術:ダーマペン、ポテンツァ+マックーム、フラクショナルレーザー(YAG、炭酸ガス)
モフィウス8、ソフウェーブ。針の刺激や熱が皮膚の再生を促します。
-注射による注入:レスチレンを真皮内注入、レディエッセ、ジュベルックボリュームなど
-サブシジョンでの治療
の2つのアプローチが治療のコンセプトになります。
それぞれに特徴があり、治療方法も異なってきます。
①アイスピックタイプ
アクネ菌によって皮膚が欠損し、凹んだ状態です。
主に皮膚を盛り上げる治療が有効です。サブシジョンを併用することもあります。
深いアイスピックは治療が難しくなります。
②ボックスカータイプ
アイスピックタイプと同じく、アクネ菌の炎症によって皮膚が凹んだ状態です。
皮膚を盛り上げる治療が有効ですがアイスピックと同じく、サブシジョンを併用することもあります。
深いボックスカーになると正常皮膚との段差が大きいため治療が難しくなります。
③ローリングスカー
なだらかに凹んでいる状態です。
上の2タイプより、皮膚の下でひきつれ(線維化)がメインです。サブシジョンを軸に、盛り上げる治療の併用が必要です。
ニキビの赤みには
①活動性のニキビによるもの
②活動性のニキビは引いたが、赤みが引かないもの
があります。少し詳しく見ていきましょう!
アクネ菌による炎症が起きている状態です。まずは抗生剤や塗り薬による治療が必要です。
アクネ菌が悪さをしていないものの、赤みが長引いている状態です。ニキビの名残りで、炎症が残っているものと考えられます。
治療としては、ポテンツァやモフィウスなどのニードルRF(針先から熱が出るタイプのダーマペンみたいなもの)がとても有効です。
ニキビ跡治療をタイプ別に分けて、それぞれに最適な治療を見てみましょう。
主に皮膚を刺激してコラーゲンやエラスチンを増やす治療
・マイルド
→ダーマペン(レチナールアクティブ導入)
・スタンダード
→ポテンツァ(マックーム導入)
・アグレッシブ
→CO2フラクショナル、モフィウス8、ソフウェーブ
・スペシャルコンビネーション
→レディエッセ
+モフィウス8 or ソフウェーブ
※レディエッセと機器による熱で皮膚の再生効果を高め、皮膚を持ち上げるデュアルセラピーです。
・オーダーメイド(ドクター)
→レスチレン・アクネスカー
※ニキビ跡にレスチレンを手打ちしていく治療です。機械系施術より、より正確に凹んでいる場所を治療できます。
※状態によってはサブシジョンの併用も有効です。
・アドバンスド
→CO2フラクショナル or ポテンツァ or モフィウス8 or ソフウェーブ
+サブシジョン(+ヒアルロン酸ボルベラ注入)
・オーダーメイド
→サブシジョン +レディエッセorレスチレンの手打ち
・スタンダード
→アクネトレント内服+ポテンツァ
・アドバンスド
→アクネトレント内服+モフィウス8
・スタンダード
→ポテンツァ
・アグレッシブ
→モフィウス8
・ダーマペン・アクネスカー
ダーマペンの中でも皮膚の再生に有効な美容液、レチナール・アクティブを使ったメニューです。
ニキビ跡の再生を促すため、しっかりと出血する深度で施術します。1ヶ月おきに施術を繰り返します。
少なくとも5回程度の施術が必要です。
ニキビ跡に有効なポテンツァのメニューは
薬剤導入ができるCPチップを使ったマックームの導入です。
ポテンツァの特徴である、針先からの熱に加え、マックームやレディエッセを導入することで、皮膚の再生を促します。
ダーマペンよりアグレッシブな治療です。1ヶ月おきに3~5回程度の施術が有効です。
モフィウス8はポテンツァと同じく、針先から熱が出るタイプの美容医療機器です。日本ではあまり知られていませんが、その高い有効性から世界的にはとても人気です。
ポテンツァとの違いは、その高い出力にあります。1ヶ月おきに3回の治療がおすすめです。
ソフウェーブはHIFUと同じく超音波による
熱刺激を使ったデバイスです。
HIFUとの違いは連続した圧倒的な熱量です。真皮の中層にしっかりと熱を加えることで、強力な皮膚のタイトニング効果、ニキビ跡の縮小効果を発揮します。アメリカFDAで、ニキビ跡への承認を取得しています。
また針を使わないデバイスのため、ダウンタイムがほとんどありません。次の治療までは半年空けます。
CO2フラクショナルはCO2レーザーをドット状に出す治療です。
当院ではCO2レーザーとしてエフを採用しています。
レーザーの密度、強さを細かく変更することで、浅いレーザーピーリングから、ニキビ跡への深めの治療
までをカバーします。ニキビ跡の治療としては、最もフレキシブルに強さを調整できるデバイスです。
ダウンタイムはかさぶた形成が1週間程度あります。1ヶ月おきに3回の治療が有効です。
サブシジョンはニキビ跡の、特に皮膚の下での線維化(ひきつれ)を治療する方法です。
特になだらかな凹みのローリングタイプのニキビ跡で有効な治療です。
具体的には、カニュラという先が丸くなった針で線維を剥がしていきます。
剥がした後には、再度凹むのを予防するためにヒアルロン酸(ボルベラ)を浅く注入していきます。
注意点としては、ヒアルロン酸が熱に弱いためポテンツァやモフィウス8、ソフウェーブ、炭酸ガスレーザー
などのデバイス施術の後にやることがおすすめです。
レディエッセはカルシウムハイドロキシアパタイト(CaHA)
が30%、70%が塩化カルボキシメチルセルロース(ジェル)
の、フィラー、またはバイオスティミュレーターです。
カルシウムハイドロキシアパタイトは昔から歯科や整形外科の分野で利用されてきた、安全性の高い製剤です。
バイオスティミュレーターとは、皮膚のコラーゲンやエラスチンを産生を促す薬剤のことを指します。
構造としてはジェルの中に細かいCaHAが散らばっている状態となっており、ジェルは1ヶ月〜2ヶ月で吸収されます。残った、CaHAが1年半〜2年かけて皮膚を刺激することで肌の再生を促し、凹みの改善、ハリや弾力性を取り戻します。
レディエッセはヒアルロン酸製剤と比較されることが多い製剤です。しかしレディエッセはヒアルロン酸製剤と違い一度充填したものを溶解する製剤はありません。よって、注入に注意が必要な製剤といえます。
レディエッセはボリュームを出し、肌の再生にとても良い薬剤ですが、皮膚の浅い部位に集中して投与した場合しこりや段差が残る可能があります。
当院では、薬の効果が適度の分散する様に2倍(顔)、もしくは4倍(首)に希釈して使用しています。
ニキビの凹んでいる部分への針での微量な注入が可能で、アイスピックやボックスカーのニキビ跡を盛り上げるのに有効です。
また、レディエッセは熱に強いためポテンツァ、モフィウス8や炭酸ガスレーザー、ソフウェーブといった熱を加えるデバイスとの相性が良いのも特徴です。1回〜2回の施術で効果を発揮します。
レスチレン・アクネスカーはレスチレン(ヒアルロン酸)を手打ちで、直接ニキビ跡へ注入する治療です。
レスチレンは安全性の高いヒアルロン製剤であり、しっかりとして弾力性と硬さを備えており、また適度に散らばる性質を持っています。
この特性を利用し、即時的にニキビ跡を埋めるのと同時に2−3ヶ月後に、コラーゲンやエラスチンが産生されることで根本的な改善効果をもたらします。
機械での施術と異なり、正常な皮膚はそのままに、ダメージを受けたニキビ跡のみに治療できるのがメリットです。
微量な量を、多くの箇所に分けて真皮の中層に注入します。このため、血管閉塞のリスクがほとんどありません。安全に確実に、治療効果を得たい方におすすめです。3ヶ月おきに2回の治療が推奨です。
ヒアルロン酸を用いているため熱を加える施術は、注入後3ヶ月間空ける必要があります。
ニキビタイプによっては、サブシジョンとの併用も有効です。