生活習慣病
生活習慣病
高血圧は、血圧が高くても自覚症状がほとんどないことが多い病気です。
しかし、血圧が高い状態が長く続くと、血管に負担がかかり、少しずつ血管が傷んでいきます。
その結果、
などの病気につながる危険性が高くなります。
日本高血圧学会も、高血圧は将来の脳卒中、心臓病、腎臓病、認知症のリスクを高める病気であるとしています。
高血圧の治療で最も大切なのは、「血圧をきちんと下げること」です。
日本高血圧学会の「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、これまで以上に実際に血圧を下げることを重視しています。
| 目標 | |
|---|---|
| 診察室で測る血圧 | 130/80mmHg未満 |
| 自宅で測る血圧 | 125/75mmHg未満 |
ただし、これはすべての方に一律に、急いで血圧を下げればよいという意味ではありません。
年齢、持病、腎臓の状態、血圧の高さ、薬の副作用などを考慮しながら、その方にとって安全な範囲で、しっかり血圧を下げていくことが重要です。
高血圧が続くと、脳の血管に大きな負担がかかります。
血管が詰まれば脳梗塞、血管が破れれば脳出血につながります。
脳卒中は、命に関わるだけでなく、
など、その後の生活に大きな影響を残すことがあります。
だからこそ、
「症状がないから大丈夫」ではなく、症状がないうちから血圧を下げておくことが大切です。
高血圧を治療する目的は、単に血圧計の数字をきれいにすることではありません。
将来の脳卒中や心臓病、腎臓病を防ぐことが、本当の目的です。
お酒を飲む習慣がある方では、飲酒量が多いほど血圧が上がりやすくなります。
そのため、血圧を下げるためには、飲酒量を減らすことが有効です。
しかし、
「お酒を完全にやめなければ高血圧は治療できない」
ということではありません。
お酒を楽しみにしている方にとって、いきなり禁酒することは簡単ではありません。
しょう内科クリニックでは、無理にお酒をやめることを最初の目標にはしません。
例えば、
など、できるところから取り組みます。
大切なのは、
「お酒をやめられたか」ではなく、「血圧を下げられているか」です。
お酒を完全にやめることが難しい場合でも、血圧の治療をあきらめる必要はありません。
生活習慣の改善に加えて、必要であれば薬を使い、血圧をしっかり下げることを優先します。
血圧が高い原因は、塩分、体重、飲酒、運動不足などの生活習慣だけではありません。
中には、別の病気が原因となって血圧が上がっている方もいます。
これを二次性高血圧といいます。
日本高血圧学会の2025年のガイドラインでも、二次性高血圧は独立した重要な診療分野として位置づけられています。
例えば、
といった場合には、血圧を上げている原因が隠れていないか確認することが大切です。
睡眠中に呼吸が何度も止まる「睡眠時無呼吸症候群」は、高血圧の原因の一つになることがあります。
特に、
という方は、一度調べてみる価値があります。
睡眠時無呼吸症候群がある場合、血圧の薬を増やすだけではなく、睡眠中の呼吸の問題そのものを治療することが重要です。
必ずしもそうとは限りません。
血圧が高い場合には、
「なぜ血圧が高いのか」
を考えることも大切です。
例えば、
「最近、体重が増えていないか」
「塩分を多くとっていないか」
「お酒の量が増えていないか」
「睡眠は十分か」
「いびきや無呼吸はないか」
「腎臓に問題はないか」
「血圧を上げる別の病気や薬がないか」
などを確認します。
原因が見つかれば、その原因を治療することで血圧が改善することもあります。
高血圧の治療では、生活習慣の改善が基本となります。
| 項目 | 取り組み |
|---|---|
| 塩分 | 食事の塩分を減らす |
| 体重 | 太りすぎている場合は少しずつ減量 |
| 運動 | 無理のない範囲で体を動かす |
| お酒 | 無理に禁酒せず、できる範囲で減らす |
| 睡眠 | 睡眠時間と睡眠の質を見直す |
| 喫煙 | 可能であれば禁煙する |
すべてを一度に完璧にする必要はありません。
続けられることから一つずつ改善することが大切です。
生活習慣を改善しても血圧が十分に下がらない場合や、血圧が高い状態が続いている場合には、血圧を下げる薬を使用します。
2025年の日本高血圧学会のガイドラインでは、主な治療薬として、
などが挙げられています。
一種類の薬だけでは十分に血圧が下がらない場合には、早い段階から複数の薬を組み合わせることも推奨されています。
ただし、薬の選択は年齢、腎臓の状態、心臓の病気、糖尿病などによって変わります。
「血圧が高いから、この薬」という単純な治療ではありません。
患者さん一人ひとりに合わせて薬を選択します。
血圧は、病院で測ったときだけではなく、普段の血圧を知ることが重要です。
特に、
朝の血圧
は重要です。
毎日できる範囲で自宅の血圧を測り、記録しておきましょう。
診察室ではそれほど高くなくても、自宅では高いことがあります。
反対に、病院では高いのに自宅ではそれほど高くない場合もあります。
そのため、家庭での血圧を確認することが、適切な治療につながります。
しょう内科クリニックでは、単純に血圧の数字だけを見て薬を処方するのではなく、
「なぜ血圧が高いのか」
「どうすれば安全に血圧を下げられるのか」
「将来の脳卒中や心臓病をどう防ぐか」
という視点から診療します。
診察では必要に応じて、
などを確認します。
血圧がなかなか下がらない場合には、睡眠時無呼吸症候群や二次性高血圧が隠れていないかも検討します。
高血圧は、自覚症状がないまま進行することが少なくありません。
だからこそ、
症状が出てから治療するのではなく、症状がないうちから血圧を下げておくことが大切です。
お酒を完全にやめることが難しくても構いません。
運動が毎日できなくても構いません。
最初からすべてを完璧にする必要はありません。
できることから少しずつ生活習慣を改善し、必要であれば薬も使いながら、
「血圧をしっかり下げる」
ことを一緒に目指していきましょう。
それが、将来の脳卒中、心臓病、腎臓病を防ぐための大切な一歩です。
「健康診断で血圧が高かった」
「家で測るといつも高い」
「薬を飲んでいるのに血圧が下がらない」
「朝の血圧が高い」
「いびきがひどいと言われる」
「血圧の薬を増やす前に原因を調べたい」
このような場合は、お気軽にご相談ください。
血圧の数字を下げるだけでなく、その先にある脳卒中や心臓病、腎臓病を予防することを目標に、一人ひとりに合わせた高血圧治療を行います。
健康診断で、
「悪玉コレステロールが高いですね」
と言われて、薬を勧められたことはありませんか?
特に女性では、更年期を迎える頃から悪玉コレステロールが上がってくることがあります。
それまでコレステロールが正常だったのに、
「50歳を過ぎて急に高くなった」
という方も少なくありません。
もちろん、悪玉コレステロールが高い状態が長く続けば、動脈硬化が進み、心筋梗塞などのリスクが高くなります。
しかし、
「悪玉コレステロールが高い」という一つの数字だけで、その人の心筋梗塞や脳梗塞のリスクを判断することはできません。
年齢、血圧、糖尿病、喫煙、腎臓の状態、これまでに心筋梗塞や脳梗塞を起こしたことがあるか、家族歴などを含めて、その人全体のリスクを評価することが大切です。
更年期以降の女性では、女性ホルモンの変化などに伴って、悪玉コレステロールが上昇することがあります。日本動脈硬化学会も、更年期以後の女性で悪玉コレステロールが上昇することを明記しています。
ここで大切なのは、
「コレステロールが上がった=すぐに薬を飲まなければならない」
というわけではないことです。
例えば、
という方であれば、悪玉コレステロールが多少高くても、心筋梗塞や脳梗塞の絶対的なリスクが高くない場合があります。
日本動脈硬化学会も、リスクの低い人では、悪玉コレステロールが多少高くても薬物治療を必要としないことが多いとしています。
そのような場合には、食事や運動などの生活習慣を見直しながら、定期的に検査をして経過を見るという選択肢があります。
脂質異常症の治療で重要なのは、
「コレステロールの数字だけを見る」のではなく、「将来の心筋梗塞や脳梗塞のリスクを見る」ことです。
特に注意が必要なのは、次のような方です。
すでに動脈硬化性疾患を起こしたことがある方は、再発を防ぐために、悪玉コレステロールをしっかり下げることが重要です。
糖尿病は動脈硬化性疾患の重要な危険因子です。
高血圧と高コレステロールが重なると、血管への負担が大きくなります。
慢性腎臓病も動脈硬化性疾患のリスクを高めます。
喫煙は動脈硬化を進める重要な危険因子です。
生まれつき悪玉コレステロールが高い「家族性高コレステロール血症」では、若い頃から動脈硬化が進みやすいため、早期に発見して治療することが非常に重要です。
健康診断などで、薬を飲んでいない状態の悪玉コレステロールが180mg/dL以上の場合には、単純に「体質でしょう」と済ませないことが大切です。
家族性高コレステロール血症の可能性を考え、
などを確認します。
日本動脈硬化学会では、未治療時の悪玉コレステロール180mg/dL以上は、家族性高コレステロール血症を疑う重要な基準の一つとしています。
家族性高コレステロール血症の場合は、生活習慣の改善だけでは十分に悪玉コレステロールを下げられないことが多く、薬による治療が重要になります。
ここは脂質異常症の治療で、非常に誤解されやすいところです。
中性脂肪が高い方では、
といった生活習慣の改善によって、中性脂肪がかなり改善することがあります。
日本動脈硬化学会も、中性脂肪は食事・運動療法によって大きな低下が期待できるとしています。
悪玉コレステロールは、中性脂肪とは少し性質が違います。
体重を減らしたからといって、悪玉コレステロールが大きく下がるとは限りません。
運動についても、脂質への効果は悪玉コレステロールを大きく下げるというより、中性脂肪を下げ、善玉コレステロールを上げる効果のほうが現れやすいことが知られています。
そのため、
「運動して痩せれば、コレステロールの薬は必要なくなる」
とは一概に言えません。
特に家族性高コレステロール血症などでは、生活習慣を改善しても悪玉コレステロールを十分に下げられないことが多く、薬による治療が必要になります。
悪玉コレステロールが高い方では、単純に「食べる量を減らす」だけではなく、何を食べているかを見ることが大切です。
特に、
など、飽和脂肪酸の多い食品を減らすことが重要です。
一方で、
などを取り入れることも有効です。
ただし、食事療法の効果には個人差があります。
食事を頑張っているのに悪玉コレステロールがあまり下がらない方もいます。
その場合、「努力が足りない」と考える必要はありません。
脂質異常症では、
「悪玉コレステロールが140mg/dL以上だから薬」
というように、一つの数字だけで治療を決めることは適切ではありません。
日本動脈硬化学会でも、悪玉コレステロール140mg/dL以上は脂質異常症の診断基準ですが、この基準を超えたからといって、すぐに薬を使うことを意味するわけではないと説明しています。
しょう内科クリニックでは、
「この患者さんは、将来心筋梗塞や脳梗塞になるリスクがどのくらいあるのか?」
を考えて治療します。
診察では、コレステロールの数字だけではなく、
| 確認する項目 | なぜ重要なのか |
|---|---|
| 年齢 | 年齢によって将来のリスクが変わる |
| 血圧 | 高血圧は動脈硬化の重要な危険因子 |
| 血糖 | 糖尿病があるとリスクが高くなる |
| 喫煙 | 動脈硬化を進める |
| 腎臓の状態 | 腎臓病は動脈硬化リスクを高める |
| 過去の病気 | 心筋梗塞などがあれば高リスク |
| 家族歴 | 家族性高コレステロール血症を疑う手がかり |
| LDLコレステロール | 動脈硬化との関係が強い |
| 中性脂肪 | 生活習慣や体重の影響を受けやすい |
| 善玉コレステロール | 低値の場合はリスク評価に影響する |
などを総合的に判断します。
例えば、
更年期になってから悪玉コレステロールが150〜160mg/dL程度になった。
血圧は正常。
糖尿病なし。
喫煙なし。
腎臓も正常。
心筋梗塞や脳梗塞の家族歴もない。
このような場合には、すぐに薬を始めるのではなく、まず生活習慣を確認しながら経過を見ることが合理的な場合があります。
一方で、
悪玉コレステロールが190mg/dLある。
母親が60歳前に心筋梗塞になっている。
この場合は、単なる「更年期だから」と考えず、家族性高コレステロール血症などを考えて、より積極的に評価する必要があります。
さらに、
という場合も、単純な軽度のコレステロール高値とは考え方が変わります。
同じ「悪玉コレステロール160mg/dL」でも、その人によって治療方針は変わります。
これが脂質異常症診療で最も大切なポイントです。
しょう内科クリニックでは、薬をできるだけ使わないことを目標にしているわけではありません。
反対に、薬をたくさん処方することを目標にもしていません。
大切なのは、
必要な人には、必要な薬をきちんと使う。
必要性が低い人には、一律に薬を使わない。
そして、
治療によって将来の心筋梗塞や脳梗塞のリスクを下げられる可能性があるか
を考えることです。
コレステロールの数字を見ると、どうしても、
「正常値にしなければいけない」
と思ってしまいます。
しかし、本当に大切なのは、
血管を守ることです。
そして最終的な目標は、
心筋梗塞を防ぐこと。
脳梗塞を防ぐこと。
将来も健康に生活できる状態を維持すること。
そのために、生活習慣の改善が十分なのか、薬が必要なのかを一人ひとり判断します。
「コレステロールが高いから薬」ではなく、
「この方にとって薬による治療が本当に必要なのか」
というところから考えます。
更年期以降の女性のコレステロール上昇、生活習慣による中性脂肪の上昇、家族性高コレステロール血症、糖尿病や高血圧を伴う脂質異常症など、同じ「脂質異常症」でも治療方針は異なります。
必要な方には適切な薬物治療を行い、必要性が低い方には生活習慣の改善と経過観察を含めた治療を提案します。
一人ひとりの「将来の心筋梗塞・脳梗塞のリスク」を考えた脂質異常症治療を行っています。
「糖尿病になったら、一生薬を飲まないといけない」
「糖尿病と診断されたら、もう治らない」
そう思っている方も多いかもしれません。
しかし、2型糖尿病では、早い段階から適切な治療を行うことで、血糖値が正常に近い状態まで改善し、薬を使わずに維持できるようになる方もいます。
この状態は医学的には**「寛解」**と呼ばれています。
国際的な専門家の合意では、血糖を下げる薬を使わない状態で、ヘモグロビンA1cが6.5%未満を3か月以上維持した場合を糖尿病の「寛解」としています。
ただし、「一度寛解したら二度と糖尿病にならない」という意味ではありません。
体重が再び増えたり、生活習慣が変化したり、膵臓のインスリンを作る力が低下したりすると、再び血糖値が上がることがあります。
だからこそ、
早く見つけて、早く治療し、できるだけ膵臓を守る。
これが2型糖尿病の治療で大切な考え方です。
糖尿病という名前は同じでも、1型糖尿病と2型糖尿病では、病気の仕組みが大きく異なります。
| 1型糖尿病 | 2型糖尿病 | |
|---|---|---|
| 主な原因 | 膵臓のインスリンを作る細胞が壊れる | インスリンが効きにくい、または分泌が不足する |
| 発症 | 子どもから大人まで発症する | 主に成人に多い |
| 進行 | 急に発症することもある | 徐々に進行することが多い |
| インスリン | 基本的に必要 | 必ずしも必要ではない |
| 薬を使わない状態への改善 | 原則として難しい | 治療によって「寛解」を目指せる場合がある |
1型糖尿病では、インスリンを作る膵臓の細胞が破壊されるため、インスリン治療が基本となります。
一方、2型糖尿病では、インスリンが効きにくくなったり、膵臓からインスリンを出す力が不足したりすることで血糖値が上昇します。
2型糖尿病では、血糖値が高い状態を長期間放置すると、膵臓に負担がかかります。
一方で、早い段階から血糖値を適切に下げ、体重や食生活を改善することで、インスリンが効きやすくなり、膵臓への負担を減らせることがあります。
その結果、
血糖値が改善
↓
薬を減らせる
↓
さらに状態が改善
↓
場合によっては薬を中止できる
という経過をたどる方もいます。
日本糖尿病学会も、2型糖尿病では食事療法によって体重を適正化することで、インスリンの分泌能力や効きが改善し、薬の量を減らせる場合があるとしています。
2型糖尿病では、診断された時点でどの程度膵臓の力が残っているかによって、その後の経過が変わります。
そのため、
「とりあえず薬を1錠飲んで様子を見る」
だけではなく、
今の血糖値がどの程度なのか
インスリンをどのくらい作れているのか
インスリンが効きにくくなっているのか
膵臓がどの程度疲れているのか
を確認することが重要です。
糖尿病の診断では、主に血液検査を行います。
食事をしていない状態での血糖値を測定します。
過去1~2か月程度の血糖状態を反映する指標です。
現在の血糖だけではなく、これまで血糖が高かったのかを確認するために重要な検査です。
糖尿病と診断された場合、1型なのか2型なのかを判断することも重要です。
必要に応じて、
などを調べます。
特に、やせているのに急に血糖値が高くなった方、短期間で血糖値が悪化した方、若い年齢で発症した方などでは、1型糖尿病やゆっくり進行する1型糖尿病の可能性を考える必要があります。
糖尿病には、見た目や年齢だけでは判断できないタイプもあります。日本糖尿病学会では、膵臓に対する自己抗体やインスリン分泌能力を用いた、ゆっくり進行する1型糖尿病の診断基準も示しています。
「インスリン注射を始めたら、一生やめられない」
と思っている方もいらっしゃいます。
しかし、2型糖尿病では必ずしもそうではありません。
血糖値が非常に高い状態では、飲み薬だけでは十分に血糖を下げられないことがあります。
このような場合、インスリンを一時的に使用して、まず血糖値を速やかに改善することがあります。
日本糖尿病学会も、2型糖尿病で血糖コントロールが不十分な場合だけでなく、感染症、手術、ステロイド治療などによって一時的にインスリンが必要になる場合があるとしています。
血糖値が非常に高い状態が続くと、膵臓は大量のインスリンを出そうとして疲弊します。
また、高血糖そのものがインスリンの効きを悪くすることがあります。
そこで、必要な場合にはインスリンを使って、
高血糖を速やかに改善する
↓
膵臓への負担を減らす
↓
インスリンが効きやすい状態を取り戻す
↓
食事・運動・体重管理や内服薬で血糖を維持する
という治療を行うことがあります。
その結果、2型糖尿病の一部の方では、インスリンを中止して飲み薬や生活習慣の改善だけで血糖を管理できるようになることがあります。
ここは非常に重要です。
インスリンは「最後の治療」ではありません。
むしろ、血糖値が非常に高いときに、膵臓を守りながら血糖値を早く改善するために、あえて早期にインスリンを使うことがあります。
そして、血糖値が改善し、インスリンを自分で作る力が十分に残っていれば、
インスリンを減らす
→ 中止する
という治療が可能な場合があります。
ただし、膵臓のインスリン分泌能力が著しく低下している場合には、インスリンを継続する必要があります。
したがって、「インスリンを使ったら一生」という考え方も、「インスリンを使えば必ずやめられる」という考え方も正しくありません。
その方の膵臓の状態によって判断します。
しょう内科クリニックでは、
「血糖値が高いから、とりあえず薬」
という治療ではなく、
を確認しながら治療方針を決めます。
糖尿病は、症状がないまま進行することがあります。
「まだ症状がないから大丈夫」
ではありません。
一方で、
糖尿病と診断されたからといって、将来必ず合併症が起こるわけでもありません。
早い段階から適切に治療し、血糖値を良好に保つことで、合併症のリスクを減らすことができます。
そして2型糖尿病では、治療によって寛解を目指せる方もいます。
2型糖尿病では、早期から適切な治療を行うことで、血糖値が正常に近い状態まで改善し、薬を使わない「寛解」を目指せる場合があります。
そのために、
早く見つける。
正確に診断する。
必要なら早く血糖を下げる。
膵臓をできるだけ守る。
改善したら薬を減らせるか見直す。
という治療を大切にしています。
インスリンが必要な場合も、「インスリンを始めたら一生」ではありません。
2型糖尿病であれば、状態によっては一時的にインスリンを使用して血糖を改善した後、インスリンを離脱できる可能性があります。
一方で、1型糖尿病などインスリンが不可欠な病型では、インスリンを継続することが必要です。
糖尿病は「薬を飲み続ける病気」と決めつけず、今の状態を正確に評価して、将来どういう状態を目指せるのかを一緒に考えることが大切です。
しょう内科クリニックでは、血糖値だけでなく、その方の糖尿病のタイプと膵臓のインスリン分泌能力まで考えた治療を行っています。
健康診断で、
「尿酸値が高いですね」
と言われたことはありませんか?
尿酸値が高い状態を高尿酸血症といいます。
高尿酸血症をそのままにしておくと、尿酸の結晶が関節にたまり、突然、
「足の親指が腫れて、歩けないほど痛い」
という痛風発作を起こすことがあります。

また、高尿酸血症の方では腎臓の病気や尿路結石などを伴うこともあります。
しかし、
「尿酸値が7を超えたから、全員が薬を飲まなければならない」
というわけではありません。
尿酸値だけではなく、痛風の有無、腎臓の状態、尿路結石、高血圧、糖尿病などを総合的に考えて治療方針を決めることが大切です。
血液中の尿酸値が7.0mg/dLを超える状態を高尿酸血症といいます。
尿酸は、体の中で作られる物質の一つです。
通常は腎臓などから尿として排泄されますが、
といったことが重なると、血液中の尿酸が増えてきます。
しょう内科クリニックでは、高尿酸血症の治療を、
尿酸値が高い状態が続くと、関節に尿酸の結晶が蓄積します。
そしてある日突然、
足の親指などが赤く腫れて、非常に強い痛みが出る
ことがあります。
これが痛風発作です。
一度痛風を起こした方では、再発を繰り返さないために尿酸値をしっかり管理することが重要です。
尿酸が高い状態では、尿酸の結晶が腎臓や尿路に影響し、尿路結石などを起こすことがあります。
そのため、
「痛風になったことがないから大丈夫」
とは限りません。
特に腎臓の機能が低下している方では、尿酸値だけでなく腎臓の状態も含めて治療を考える必要があります。
ここは非常に重要なポイントです。
高尿酸血症の診断基準は7.0mg/dLを超えることですが、診断基準と薬を始める基準は同じではありません。
痛風発作や痛風結節がなく、腎臓などにも問題がない場合には、まず生活習慣の改善を行い、経過を見ることが一般的です。
腎障害、尿路結石、高血圧、糖尿病などの合併症がある場合には、生活習慣の改善に加えて薬による治療を検討します。
痛風発作がなくても、尿酸値が持続して高い場合には、将来の痛風などを考えて薬による治療を検討します。
痛風発作を繰り返す方や痛風結節がある方では、尿酸値を6.0mg/dL以下にすることを目標として、薬による治療を検討します。
| 状態 | 治療の考え方 |
|---|---|
| 尿酸値7.0未満 | 基本的に高尿酸血症ではありません |
| 7.0~7.9mg/dL・合併症なし | 生活習慣の改善を中心に経過観察 |
| 8.0~8.9mg/dL・腎障害などあり | 薬による治療を検討 |
| 9.0mg/dL以上 | 薬による治療を開始 |
| 痛風発作・痛風結節あり | 薬による治療を開始 |
| 痛風の治療中 | 尿酸値6.0mg/dL以下を目標 |
※実際の治療は、年齢、腎機能、痛風発作の回数、尿路結石、血圧、糖尿病などを総合して決定します。
高尿酸血症と飲酒には深い関係があります。
アルコールそのものが尿酸値を上げる作用を持っています。
さらに、ビールなどにはプリン体が含まれているものもあります。
そのため、
「ビールだけが悪い」わけではありません。
日本酒、焼酎、ワインなども含め、アルコールそのものが尿酸値に影響します。
必ずしもそうではありません。
お酒が好きな方にとって、突然の禁酒は簡単ではありません。
しょう内科クリニックでは、
「お酒を完全にやめてください」
ということだけを治療目標にはしません。
まずは、
など、続けられる方法を一緒に考えます。
大切なのは、
「禁酒できたか」ではなく、尿酸値を適切に管理できているか、痛風や腎臓の問題を防げているかです。
高尿酸血症では、食事も重要です。
特に、
などを摂りすぎている場合には、見直すことが有効です。
一方で、プリン体だけを極端に気にする必要はありません。
「何を食べたか」だけではなく、「食べ過ぎていないか」「体重が増えていないか」「お酒を飲み過ぎていないか」まで含めて考えることが大切です。
肥満やメタボリックシンドロームがある方では、体重を適正化することが重要です。
食べ過ぎや飲み過ぎを改善すると、
体重が減る
↓
中性脂肪や血糖なども改善
↓
尿酸値も改善する
という良い循環につながることがあります。
高尿酸血症は、単独の問題ではなく、
高血圧
糖尿病
脂質異常症
肥満
などと一緒に見つかることも少なくありません。
そのため、尿酸値だけを見るのではなく、生活習慣病全体を確認することが重要です。
高尿酸血症の診療では、
「尿酸値が高いから薬」
という一律の治療を行うのではなく、
などを総合的に確認します。
そして、
「今、薬が必要なのか」
「生活習慣の改善でまず経過を見られるのか」
を判断します。
一方で、薬が必要な方には、きちんと治療することが重要です。
特に、
痛風を繰り返している方
痛風結節がある方
腎障害や尿路結石を伴っている方
尿酸値が9.0mg/dL以上の方
などでは、薬によって尿酸値を適切に下げることを検討します。
痛風の治療では、尿酸値を6.0mg/dL以下に維持することを目標とします。
これは単に血液検査の数字をきれいにするためではありません。
関節に蓄積した尿酸の結晶を減らし、痛風発作を繰り返さない状態をつくるためです。
高尿酸血症の治療で大切なのは、
薬を飲むことでも、薬を飲まないことでもありません。
大切なのは、
痛風から守ること。
腎臓を守ること。
そして、高血圧や糖尿病、脂質異常症などを含めて、将来の健康を守ること。
そのために、
生活習慣を改善するところ
薬でしっかり治療するところ
を患者さんごとに判断します。
「尿酸値が高いから、すぐ薬」ではありません。
一方で、痛風を繰り返している方や、腎臓の病気などを伴う方、尿酸値が非常に高い方では、必要な治療を先延ばしにしないことも重要です。
しょう内科クリニックでは、
痛風を防ぐ。
腎臓を守る。
生活習慣を無理なく改善する。
必要な方には適切な薬を使う。
という考え方で、一人ひとりの状態に合わせて治療します。
お酒を完全にやめることが難しい方も、無理のない方法を一緒に考えます。
「尿酸値が高いけれど、薬は本当に必要なの?」
という段階からでも、お気軽にご相談ください。